富士キメラ総研は、「2021 クラウドコンピューティングの現状と将来展望 市場編/ベンダー編」を発表した。国内パブリッククラウド市場の市場規模は、2020年度が対前年度比25.2%増の1兆7265億円の見込み。2024年度には対2019年度比2.1倍の2兆8296億円に達する。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
富士キメラ総研は2021年7月7日、国内パブリッククラウド市場を調査した「2021 クラウドコンピューティングの現状と将来展望 市場編/ベンダー編」を発表した。
「市場編」は「SaaS」(Software as a Service)や「IaaS」(Infrastructure as a Service)といったクラウドサービス別に見たパブリッククラウド市場の調査結果になっており、「ベンダー編」は42社のクラウド事業者の動向を調べたものになっている。
レポートによると、国内パブリッククラウド市場の市場規模は、2020年度が対前年度比25.2%増の1兆7265億円の見込みだ。2024年度には対2019年度比で2.1倍の2兆8296億円に達するという。
富士キメラ総研は「2020年度は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策としてテレワーク環境の構築を目的とした需要が増加した。今後はデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に伴い、さらに利用が増加するだろう」とみている。
2020年度の内訳を見ると、市場規模が最も大きかったのはSaaSで対前年度比23.7%増の1兆332億円だった。富士キメラ総研は「従来、対面や紙で実施していたアナログ業務のSaaS化が進んだため」と分析している。
IaaSは、対前年度比で24.6%増加して4363億円。富士キメラ総研は「ゲームやWebサービスの基盤としてエンターテインメント系企業の需要がけん引していたが、一般企業にも採用が広がり、社内システム基盤としての利用が進みつつある」としている。
「PaaS」(Platform as a Service)は対前年度比35.3%増の2206億円。富士キメラ総研によると「アプリケーションの開発基盤やデータベースとしての利用以外にもAI(人工知能)やIoT(Internet of Things)、データ分析の基盤として導入し、DXに取り組む企業が増加している」という。
「DaaS」(Desktop as a Service)は対前年度比17.8%増の364億円だった。「テレワーク環境の整備を進める企業が全国的に増加したことで、市場が伸びている。今後は、人的リソースの変化に応じて柔軟にクライアント環境を設定・変更できるという特徴から、需要が高まる」と富士キメラ総研は予測する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.