国内パブリッククラウドサービス市場は堅調に成長し2020年は1兆円超、IDCが予測2019年は対前年比22.9%増の8778億円

IDC Japanは、国内パブリッククラウドサービス市場の予測を発表した。2019年の同市場規模は、対前年比22.9%増の8778億円。2024年の市場規模は、2019年の2.4倍に当たる2兆644億円になると予測する。

» 2020年03月23日 10時50分 公開
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 IDC Japanは2020年3月18日、国内パブリッククラウドサービス市場の予測を発表した。

 2019年の同市場規模は、対前年比22.9%増の8778億円。IaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)の成長が目立った。IDC Japanは「モバイルやWebアプリケーションといったデジタルサービスのインフラとして導入が進んだ」としている。

 SaaS(Software as a Service)の成長も進んでおり、情報系SaaSは既に安定成長期に入っているものの、産業特化型SaaSがけん引している。IDC Japanでは、「2020年の市場規模が1兆円を超える」とみている。

2024年の市場規模は、2019年の2.4倍に当たる2兆644億円に

 国内パブリッククラウドサービス市場は、市場規模が拡大したことで、今後の対前年比成長率が低下する。2019〜2024年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は18.7%の見込み。2024年の市場規模は、2019年の2.4倍に当たる2兆644億円になると予測する。なお、今回の予測では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を考慮していない。

国内パブリッククラウドサービス市場 売上額予測、2019〜2024年(出典:IDC Japan)

マルチクラウド環境に対応することがベンダーの選定要件になりつつある

 パブリッククラウドサービスを利用するシステム領域は、多様化が進む。例えば、情報系システムだけではなく、基幹系システムやDX(デジタルトランスフォーメーション)の領域にも広がる見込みだ。

 こうした利用領域の拡大は、1つの企業が利用するパブリッククラウドサービスのベンダー数やサービス数を増加させることにつながる。IDC Japanでは、国内でもマルチクラウド化は一般化しているが、それらを統合的に管理している企業は非常に少ないと指摘する。同社によると、多くの企業では「ガバナンス/セキュリティ」「コスト削減」「データ活用」などの課題を認識しているとしており、マルチクラウド環境に対応することがベンダーの選定要件になりつつあるという。

 IDC JapanでITサービスのリサーチディレクターを務める松本聡氏は、「ベンダーは、マルチクラウド環境への対応について、リソースの統合管理とデータ活用を促進するプロセス/データ連携という2つの目的を理解し、その上で差別化戦略を実行することが重要だ」と分析している。

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