国土交通省は、デジタルマップを利用して、全国の盛り土の可能性がある箇所を抽出する。作成時期が異なる国土地理院の基盤地図情報数値標高モデルのデータを比較して標高にプラス5メートル以上の変化がある場合、盛り土の可能性がある。
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国土交通省は2021年7月9日、デジタル地図を利用して、全国の盛り土の可能性がある箇所を抽出すると発表した。同年7月3日に静岡県熱海市の伊豆山地区で発生した土石流災害を受けた措置で、今後実施する盛り土の点検の参考にするという。
比較には作成時期が異なる国土地理院の地図データ(基盤地図情報数値標高モデル)を使う。標高にある程度以上の変化がある場合、「盛り土の可能性がある」といえる。今回対象とするのは「2000年以前のデータ」と「2008年以降のデータ」。
2000年以前のデータは2万5000分の1の地形データを基に作成されている。全国の地形データが整備されており、水平精度は17.5メートル、標高精度は5.0メートル。地域によって異なるが、1990〜2000年ごろまでの地形を反映している。
2008年以降のデータは、航空レーザー測量によって作成したもの。標高精度は0.3メートルと高いものの、2008年ごろから本格的な整備を開始したため、整備済みの地域は主要沿岸部や都市部主要河川などを中心に全国の約7割にとどまる。
これら2つの地図データを比較し、標高差がプラス5メートル以上の場所を盛り土の可能性があると判断する。国土交通省は「抽出した箇所を、関係省庁や地方公共団体に提供する予定だ」としている。
なお、どちらの地図データも「基盤地図情報ダウンロードサービス」でダウンロードできる。
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