ITRは、AI関連の主要8市場について、市場規模の推移と予測を発表した。ITRは2020年度の売上金額を対前年度比19.9%増の513億3000万円、2020〜2025年度の年間平均成長率を18.7%と見込んでいる。
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アイ・ティ・アール(ITR)は2021年8月26日、AI(人工知能)関連の主要8市場について、市場規模の推移と予測を発表した。ITRは「AI市場は非常に高い伸びを示しており、今後もさらなる拡大が予想される」としている。2020〜2025年度の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)を18.7%と見込み、2025年度には売上金額が1200億円に達するという。
今回予測したAI市場は以下の8つ。
8市場全体の2020年度の売上金額は、対前年度比19.9%増の513億3000万円だった。在宅勤務での業務効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みを推進する企業でAIの活用が拡大した。新規参入のベンダーは増加傾向にあり、特徴のある機能やソリューションで差別化を進めているという。
8市場の中で、売上金額の伸び率が最も高かったのは、対前年度比44.0%増の機械学習プラットフォーム市場。次いで、翻訳市場が同38.0%増だった。ITRによると機械学習プラットフォーム市場は参入ベンダーが増加しており、低価格化が進んでいることから、今後も導入が拡大する見込みだという。
翻訳市場は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で海外との間で書面によるやりとりが増えたことなどから、製造業を中心に導入が進んだ。ITRは「翻訳精度が向上したことから翻訳業務を内製化する動きが見られ、今後も継続的に伸びる」と予測する。
ITRの舘野真人氏(シニア・アナリスト)は次のように述べている。
「AI技術は『価値を得るための道具』として位置付けられている。AI開発を支援する機械学習プラットフォームや日常のコミュニケーションを効率化する翻訳などの市場の拡大は、ビジネスユーザーのための道具として足場を固めていることを示している。今後は、特定の産業や用途に特化したソリューションに加え、本稼働後の性能監視や運用管理を支援するソリューションの需要が拡大するだろう」
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