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» 2021年09月15日 05時00分 公開

コロナ禍で現実的になった、人生100年時代のライフ・シフト仕事が「つまんない」ままでいいの?(81)(2/3 ページ)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]

50歳のライフ・シフト

 私は50歳ですが、「ひょっとしたら、ライフ・シフトに書かれているようなキャリアを歩んでいるのかもしれない」と感じることがあります。

 実はいま、3つの仕事を掛け持ちしています。つまり、ポートフォリオ・ワーカーです。1つ目は、自分で経営しているNPO法人しごとのみらい、2つ目は、週2日働いているIT企業サイボウズ、3つ目は、非常勤で働いている一般社団法人妙高市グリーン・ツーリズム推進協議会です。

 それぞれの仕事内容は、しごとのみらいが「組織作りの企業研修や講演」、サイボウズが「マーケティングやブランディング」、妙高市グリーン・ツーリズム推進協議会が「ワーケーションの事業開発」です。

 ワーケーションの事業開発は、1カ所に腰を落ち着けない「エクスプローラー」的な仕事の推進であり、自分の職を生み出す「インディペンデント・プロデューサー」の要素も多く含みます。

 ちなみに、私のこれまでの職歴を紹介すると、自動車会社→中堅のSIer→小規模のソフトハウス→個人事業主で独立→しごとのみらいを設立→サイボウズで複業→妙高市グリーン・ツーリズム推進協議会で複業です。

 このような働き方になったのは、「狙って」というよりは「結果論」です。その時々の状況に合わせて対応していったら、「結果的にこうなった」だけで、自分がこのようなキャリアを歩むとは、若いころは全く想像していませんでした。

変化に対応するキャリアを歩む上で大切な4つのこと

 結果的に、ライフ・シフトに書かれているような働き方になりましたが、いままでのキャリア全体や、キャリアを変えるタイミングで考えていたことを振り返ると、変化に対応しながらキャリアを歩む上で、「こういうことは大切だな」と思うことがあります。

違和感を大切にする

 1つ目は「違和感を大切にする」こと。違和感は「変化に対応する合図」だと思っています。

 自動車会社に入社したときは、まさか将来転職することになるとは想像もしていませんでした。大企業ですし、「これで生涯安泰」と思っていたぐらい。一生、自動車会社で働くものだと思っていました。

 しかし7〜8年働いていたら、「このままでいいのかな?」「もうちょっと何かできるんじゃないかな?」と思うようになりました。そこで、転職を決意。辞めるときはずいぶん悩みましたが、違和感を大切にすることで、次のキャリアを歩むことができました。

過度に固執しない

 2つ目は「過度に固執しない」こと。チャレンジをする機会があったら、「オレはこれしかやらないんだ!」と過度に固執せずに、取りあえずやってみるんです。

 中堅のSIerから小規模のソフトハウスに転職したとき、私は「生涯エンジニア」でいることを目指していました。管理職になりたくなかったのが、転職をしたきっかけです。

 転職先での仕事は客先に常駐するSEでした。しかし、常駐先がプレッシャーをかけてマネジメントをする職場で、3カ月ほどでストレスがかさみ、心が折れかけてしまいました。

 あのとき「オレはエンジニアなんだ。技術的な仕事しかしないんだ」と固執して、再度転職することもできました。でも、「ストレスをかけるマネジメントはダメだな。みんなが楽しく働ける職場がいいな」と思って、コミュニケーションや心理学を勉強しはじめ、おかげで人の成長を支援する仕事の楽しさを知りました。その後もさまざまなキャリアを経験できたのは、このときに身に付けたコミュニケーション力やファシリテーション力、マネジメント力によるところが大きいと思っています。

 もしあのときエンジニアの道だけに固執していたら、技術力は付いたかもしれませんが、変化への対応力は身に付かなかったかもしれません。

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