Snowflakeが新展開、トランザクションアプリのサポートとネイティブアプリケーションフレームワークを発表トランザクションと分析のサイロを崩す

DWHのSnowflakeが、新機能を通じてトランザクションアプリの開発をサポートすると発表した。また、Snowflakeの機能を活用したデータアプリを迅速に開発できるアプリケーションフレームワークを発表した。

» 2022年06月15日 10時00分 公開
[三木泉@IT]

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 クラウドデータウェアハウス(DWH)を展開するSnowflakeは2022年6月14日(米国時間)、年次カンファレンス「Snowflake Summit 2022」で多数の発表を行った。新たな取り組みは2つ。第1に、トランザクションアプリケーションをサポートし、トランザクションデータと分析データの統合を図る「Unistore」、第2に、Data Cloud上でネイティブに動くデータアプリケーションを開発できるネイティブアプリケーションフレームワークだ。

 第1のUnistoreは、トランザクションデータと分析データのサイロ化を打破し、単一の基盤に統合するもの。

 まず、ユーザーは、行単位での操作ができる新たなテーブルタイプ「Hybrid Table」(プライベートプレビュー中)を作成できる。これを使って、高速な読み書きが可能なトランザクションアプリケーションを開発できる。

 次に、Hybrid Tableのデータを移動の手間などなしに、直接リアルタイムで分析できる。既存のSnowflakeテーブルとHybrid Tableにまたがったクエリもで可能。

 つまり、Unistoreのメリットは3つある。

  1. トランザクションデータを即座に分析できる
  2. トランザクションアプリケーションを開発できる
  3. トランザクションデータと分析データを単一の基盤に統合できる

 Snowflakeプロダクト担当上席副社長のクリスチャン・クレイナマン氏は、次のように話している。

 「別の製品やエンジンを持ち出すのではない。全てはSnowflakeにある。同じ製品で同じエンジン。機能、セキュリティ、ガバナンスモデルも同一だ」

収益化にもつなげられるネイティブアプリケーションフレームワーク

 もう1つの発表はネイティブアプリケーションフレームワーク(「Snowflake Native Application Framework」)。

 Snowflakeのストアドプロシージャ、ユーザー定義関数(UDF)、ユーザー定義テーブル関数(UDTF)などを使ったデータアプリケーションを、迅速に構築できる。Snowflakeは機械学習やデータサイエンスのアプリを簡単に作れる OSSツールを開発するStreamlitを買収したが、 このツールも活用できる。

 今回のフレームワークで開発したアプリケーションは、Snoeflakeの環境で動作する。このため、可用性、セキュリティ、ガバナンスといった点に変わりはないという。

 Snowflakeは、マーケットプレース機能「Snowflake Marketplace」を展開してきた。これまではデータの売買の場だったが、今後はアプリケーションも販売できるようになる。アプリケーションは顧客のアカウント内で実行される。このため、ユーザーは自社のデータを保護できる一方、アプリ提供者は自社の知的財産権を守れるという。

 なお、ユーザーは、こうしたアプリケーションを使うためにデータを動かす必要はない。

 ネイティブアプリケーションフレームワークもプライベートプレビュー中だ。

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