【 Get-AzureADGroupMember 】コマンドレット――Azure Active Directoryに作成されたグループのメンバーを参照するWindows PowerShell基本Tips(40)

本連載は、PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は「Get-AzureADGroupMember」コマンドレットを解説します。

» 2022年08月08日 05時00分 公開
[国井傑株式会社エストディアン]

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「Windows PowerShell基本Tips」のインデックス

連載目次

 本連載では、Windows PowerShellの基本的なコマンドレットについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、「Azure Active Directory」(Azure AD)に作成されたグループのメンバーを参照する「Get-AzureADGroupMember」コマンドレットです。

Get-AzureADGroupMemberコマンドレットとは?

 「Get-AzureADGroupMember」は、PowerShellを利用してAzure ADに作成されたグループのメンバーを参照するコマンドレットです。Azure ADグループのメンバー一覧は「Azure Active Directory管理センター」(https://aad.portal.azure.com/)からも参照できますが、表示された一覧からPowerShellで特定の操作を継続したいときに有効です。

 なお、Get-AzureADGroupMemberコマンドレットは本連載の第30回で解説した「Connect-AzureAD」コマンドレットを利用して、Azure ADに接続していることが前提条件になります。

Get-AzureADGroupMemberコマンドレットの書式

Get-AzureADGroupMember [オプション]


Get-AzureADGroupMemberコマンドレットの主なオプション

オプション 意味
-ObjectId メンバー一覧を参照するグループのIDを指定する
-All 全てのメンバーを表示する。省略可能


特定グループのメンバー一覧を表示する

 Get-AzureADGroupMemberコマンドレットでは、「-ObjectId」オプションでメンバーを参照するグループのIDを指定します。ただし、グループのIDは、事前に調べておかなければなりません。

 そこで、以下のように本連載第35回で紹介した「Get-AzureADMSGroup」コマンドレットを利用して、特定のグループ名を持つグループのメンバーを表示するように構成します(画面1)。

コマンドレット実行例

$id=(Get-AzureADMSGroup -Filter "displayName eq 'MES'").Id
Get-AzureADGroupMember -ObjectId $id

画面1 画面1 Get-AzureADMSGroupコマンドレットで「MES」グループのIDを調べ、その後、Get-AzureADGroupMemberコマンドレットをMESグループのメンバー一覧を表示した


特定グループの全てのメンバーを表示する

 Get-AzureADGroupMemberコマンドレットではオプションを指定せずに実行した場合、実行結果に表示されるメンバーの数は既定で「100」です。そのため、明示的に全てのメンバーを表示させるには、「-All」オプションを指定する必要があります(画面2)。

コマンドレット実行例

$id=(Get-AzureADMSGroup -Filter "displayName eq 'MES'").Id
Get-AzureADGroupMember -ObjectId $id -All $true

画面2 画面2 Get-AzureADGroupMemberコマンドレットのオプションに「-All」を指定することで、全てのメンバーが表示される


グループのメンバーに含まれるゲストユーザーを表示する

 例えば、「Microsoft Teams」を利用している場合、Teamsで作成されるチームには社外のユーザーである「ゲストユーザー」が含まれていることがあります。もし、チームに含まれるゲストユーザーだけを表示させたい場合は、チームに対応する「Microsoft 365」グループに対してGet-AzureADGroupMemberコマンドレットを実行し、実行結果からUserType属性が「Guest」のユーザーを抽出します(画面3)。

コマンドレット実行例

$id=(Get-AzureADMSGroup -Filter "displayName eq 'company'").Id
Get-AzureADGroupMember -ObjectId $id -All $true | Where-Object {$_.UserType -match "Guest"}

画面3 画面3 実行結果からUserType属性が「Guest」のユーザーだけが表示された

筆者紹介

国井 傑(くにい すぐる)

株式会社エストディアン代表取締役。1997年からマイクロソフト認定トレーナーとして、Azure Active DirectoryやMicrosoft 365 Defenderなど、クラウドセキュリティを中心としたトレーニングを提供している。2007年からMicrosoft MVP for Enterprise Mobilityを連続して受賞。なお、テストで作成するユーザーアカウントには必ずサッカー選手の名前が登場するほどのサッカー好き。


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