本連載は、PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は「Get-AzureADGroupMember」コマンドレットを解説します。
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本連載では、Windows PowerShellの基本的なコマンドレットについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、「Azure Active Directory」(Azure AD)に作成されたグループのメンバーを参照する「Get-AzureADGroupMember」コマンドレットです。
「Get-AzureADGroupMember」は、PowerShellを利用してAzure ADに作成されたグループのメンバーを参照するコマンドレットです。Azure ADグループのメンバー一覧は「Azure Active Directory管理センター」(https://aad.portal.azure.com/)からも参照できますが、表示された一覧からPowerShellで特定の操作を継続したいときに有効です。
なお、Get-AzureADGroupMemberコマンドレットは本連載の第30回で解説した「Connect-AzureAD」コマンドレットを利用して、Azure ADに接続していることが前提条件になります。
オプション | 意味 |
---|---|
-ObjectId | メンバー一覧を参照するグループのIDを指定する |
-All | 全てのメンバーを表示する。省略可能 |
Get-AzureADGroupMemberコマンドレットでは、「-ObjectId」オプションでメンバーを参照するグループのIDを指定します。ただし、グループのIDは、事前に調べておかなければなりません。
そこで、以下のように本連載第35回で紹介した「Get-AzureADMSGroup」コマンドレットを利用して、特定のグループ名を持つグループのメンバーを表示するように構成します(画面1)。
$id=(Get-AzureADMSGroup -Filter "displayName eq 'MES'").Id Get-AzureADGroupMember -ObjectId $id
Get-AzureADGroupMemberコマンドレットではオプションを指定せずに実行した場合、実行結果に表示されるメンバーの数は既定で「100」です。そのため、明示的に全てのメンバーを表示させるには、「-All」オプションを指定する必要があります(画面2)。
$id=(Get-AzureADMSGroup -Filter "displayName eq 'MES'").Id Get-AzureADGroupMember -ObjectId $id -All $true
例えば、「Microsoft Teams」を利用している場合、Teamsで作成されるチームには社外のユーザーである「ゲストユーザー」が含まれていることがあります。もし、チームに含まれるゲストユーザーだけを表示させたい場合は、チームに対応する「Microsoft 365」グループに対してGet-AzureADGroupMemberコマンドレットを実行し、実行結果からUserType属性が「Guest」のユーザーを抽出します(画面3)。
$id=(Get-AzureADMSGroup -Filter "displayName eq 'company'").Id Get-AzureADGroupMember -ObjectId $id -All $true | Where-Object {$_.UserType -match "Guest"}
株式会社エストディアン代表取締役。1997年からマイクロソフト認定トレーナーとして、Azure Active DirectoryやMicrosoft 365 Defenderなど、クラウドセキュリティを中心としたトレーニングを提供している。2007年からMicrosoft MVP for Enterprise Mobilityを連続して受賞。なお、テストで作成するユーザーアカウントには必ずサッカー選手の名前が登場するほどのサッカー好き。
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