Canalysによると、2022年第3四半期のサイバーセキュリティ市場の世界売上高は、前年同期比15.9%増の178億ドルとなった。
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調査会社のCanalysは2022年12月19日(米国時間)、2022年第3四半期に世界のサイバーセキュリティ市場の売上高が、前年同期比15.9%増の178億ドルとなったと発表した。マクロ経済状況が悪化したものの、SMB(中堅、中小企業)向け市場では需給が逼迫(ひっぱく)したとしている。
2022年第3四半期の売上高首位はPalo Alto Networksで、前年同期比24.9%増となり、市場シェアは8.4%だった(前年同期のシェアは7.8%)。2位のCisco Systemsは前年同期比16.7%増、市場シェアは6.9%(前年同期も6.9%)。3位のFortinetは前年同期比29.9%増、シェアは6.7%(前年同期は6.0%)。
売上高をカテゴリー別に見ると、エンドポイントセキュリティが前年同期比18.7%増の27億ドルとなり、最も成長率が高かった。ネットワークセキュリティが前年同期比14.8%増の51億ドルとなり、最大のカテゴリーとなった。
Canalysによると、IT業界は、マクロ経済状況の悪化、不確実性の増加、IT支出に対する精査の強化に直面しており、ほとんどのベンダーが、これらを考慮して業績予測を行っている。新規ビジネスの減少、確定した支出の減少、サブスクリプションの開始時期の遅れが予測を上回ったため、今後の業績に影響が出る見通しだ。
「多くのサイバーセキュリティベンダーは、サブスクリプション主導のビジネスモデルへと移行している。これは、経済の減速の直接的な影響からベンダーを保護する効果があった」と、Canalysのチーフアナリストのマシュー・ボール氏は指摘する。「サブスクリプションベースのプラットフォームへの移行と、既存顧客へのアップセルの強化により、サイバーセキュリティベンダーは今後の12カ月も高成長の売り上げを維持するだろう」
2022年第3四半期のサイバーセキュリティ市場では、チャネル販売が全体の90.6%を占め、顧客への直接販売が残りの9.4%を占めた。チャネル販売は前年同期比15.9%増となり、直接販売の成長率を上回った。
チャネルパートナーは、サイバーセキュリティのビジネスチャンスについて楽観的な見通しを維持している。Canalysが2022年11月21日〜12月9日に実施したチャネルパートナー調査(回答者:393人)によると、2023年の自社のサイバーセキュリティ売上高が20%以上伸びると予想した回答者が27%、11〜20%伸びると予想した回答者も27%で、売上高が減少すると予想した回答者はわずか10%だった。
2022年第3四半期のサイバーセキュリティ市場の地域別売上高は、北米が96億ドル、欧州、中東、アフリカ(EMEA)が52億ドル、アジア太平洋(APAC)が24億ドル、中南米が6億ドル。北米市場は全体の53.8%を占め、前年同期比成長率も17.1%で最も高かった。
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