NIIはNTTと共同で、研究者を対象に秘密計算AIソフトウェアをトライアル提供すると発表した。非商用の研究目的に用途は限定されるものの、主要なAIアルゴリズムによる学習や推論などで秘密計算を試すことができる。
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情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)は2023年1月23日、NTTと共同で「秘密計算AI(人工知能)ソフトウェア」をトライアル提供すると発表した。非商用の研究目的に用途は限定されるものの、主要なAIアルゴリズムによる学習や推論などで秘密計算を試すことができる。
秘密計算とは、データを暗号化したまま、復号せずに処理する技術のこと。個人のプライバシーに関わるデータや営業データなど、情報漏えいや不正利用の懸念があるデータを安全に利用するための技術として注目されている。
トライアルの目的は、NIIとNTTの共同研究の一環として、NIIの計算機上で秘密計算AIソフトウェアを実験的に利用する大学などのパートナーを募集すること。そのため対象は、国内の大学や研究機関に所属する教職員と研究者となる。
NIIは、大学や研究機関の研究活動を支える次世代学術研究プラットフォーム「NII Research Data Cloud(NII RDC)」の構築し、2021年から本格的なサービス運用を開始している。NIIは同プラットフォーム上での“研究データ活用の可能性”をさらに広げる機能開発を進めており、秘密計算技術はその要素技術の一つだ。
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