Fixie.aiは、大規模言語モデルを活用できるPaaS「Fixie.ai」を発表した。
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Fixie.aiは2023年2月7日(米国時間)、クラウドでホストされ、大規模言語モデルを活用できるPaaS(Platform as a Service)「Fixie.ai」を発表した。
Fixie.aiは、GoogleとAppleの元幹部社員(エンジニア、プロダクトリーダー、AI専門家)が2022年に設立した新興企業。英単語の「fixie」は、後輪のギアが後輪の車軸に固定され、後退も可能で、ブレーキがない自転車を指す。
同社は今回発表したFixie.aiを、「独自のデータソース、システム、ツールに接続し、大規模言語モデルの能力を拡張するスマートエージェントを構築、ホスト、スケーリングするための新しいプラットフォーム」と説明している。
最近では、自然な会話ができる高機能Webサービスに使われている、人との対話をターゲットとする大規模言語モデル「ChatGPT」が話題を呼んでいるが、Fixie.aiプラットフォームは、「ChatGPTが提供するような体験を構築する方法であり、新しい機能やあらゆるソフトウェアシステムとのインタフェースにより、無限に拡張できる」と考えることができると、Fixie.aiは述べている。
Fixie.aiは、数週間以内に早期アクセスプレビューが開始される。現在、https://fixie.aiから、このプラットフォームにいち早くアクセスするためのウェイティングリストに参加できる。
Fixie.aiはFixie SDKと、アプリケーションやエージェントの作成に必要な全てのツールを、オープンソースとして公開するとともに、Fixie.aiプラットフォーム自体も、個人の開発者や小規模チームであれば、無料で利用できるようにする計画だ。
ChatGPTはこの数カ月間、大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)の実力を世界に示し、注目されている。ChatGPTや類似のAIモデルは、歌詞を生成したり、童話を書いたり、エッセーを書いたりするのが得意なだけでなく、「例によって新しいスキルを学習する能力」を持っている。これは専門用語では「few-shot learning」(少数ショット学習)と呼ばれる。
例えば、メールの送信やWeb検索など、新しいタスクの実行方法に関する少数の例をLLMに与えると、LLMはその知識を取り入れ、それまでできなかったことをできるようになる。
Fixie.aiは、こうしたLLMの力を活用し、自然言語に基づいて問題を解決するスマートエージェントを、誰でも構築、統合できるようにするPaaSだ。
Fixie.aiにおける各エージェントは、LLMと少量のコード(どんなプログラミング言語でも実装可能)を組み合わせたスタンドアロンサービスだ。このコードの中で、データベースやAPIのような外部システムへの接続方法を記述する。
エージェントの構築は、英語の説明書を書くのと同じくらい簡単とされる。エージェント構築においては、特定のタスクを実行する方法を、例を通してエージェントに「教える」ことになる。
エージェントは誰でも作ることができ、Fixie.aiで直接ホストできる。Fixie.aiは、ユーザーが非常に簡単に独自のエージェントを作成し、プラットフォームに追加できるツールを提供するとしている。
Fixie.aiのエージェントは、テキスト、画像、バイナリデータ、その他のメディアフォーマットを生成、処理できる。エージェントを組み合わせることで、画像を生成し、背景をマスクし、照明を調整し、合成して、以下のような作品を作れる。
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