昨今の急激な円安などもあり、膨らみ続ける一方のクラウドコスト。削減する手法にはさまざまありますが、継続的に最適化していくには、組織的な取り組みが不可欠です。第1回はクラウドコストの「ムダ」が生まれがちなポイントと基本的なコスト削減手法を紹介し、「FinOps」がコスト最適化のカギとなる理由を、FinOps認定プラクティショナーが解説します。
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「クラウドファースト」――。ITシステムをつくる際に「まずクラウドで動かすことを検討する」ということを示したこの言葉が登場して、十数年がたちます。
国内企業においても、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の実行を支える、敏捷(びんしょう)、柔軟なITプラットフォームとしてクラウドを活用することは自然な選択となり、全社的に導入する企業も増えてきました(図1)。先行企業ではオンプレミスからクラウドへの移行が既に一巡し、改めて見直しをかける時期にきています。
国内企業でもクラウド活用が大規模化・複雑化していくと共に、そのコストは増え続ける一方です。
そうした中、2022年春からの急激な円安により、米ドルで単価が設定されているクラウドサービスはコストが跳ね上がり、悩ましい問題になっているという声がよく聞かれるようになりました。
さらに、昨今の半導体不足によるハードウェア調達難により、急きょ基幹ITシステムの更改計画をオンプレミスからクラウドに変更したものの、クラウドコストに対する考えが十分できておらず、「サービスインしてから想定外にコストが膨らんでしまった」という話もあります。
クラウドコストの「ムダ」が生まれる要因はさまざまですが、特にありがちなのは以下のような点です。
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