「Visual Studio Code」の「March 2023」リリース、AIとのペアプログラミングが試せる：「GitHub Copilot」との統合機能を公開

Microsoftは「Visual Studio Code」の最新版「March 2023」リリース（バージョン1.77）を公開した。アクセシビリティー、ワークベンチ、ノートブック、言語、拡張機能サポート、リモート開発といった機能が追加、改善されている他、GitHubのAIペアプログラミングツール「GitHub Copilot」との統合機能（プレビュー段階）も試せる。

» 2023年04月06日 10時21分公開

[＠IT]

　Microsoftは2023年3月31日（米国時間）、WindowsやLinux、macOSに対応するクロスプラットフォームエディタ「Visual Studio Code」（以下、VS Code）の最新版「March 2023」リリース（バージョン1.77）を公開した。

　VS Codeバージョン1.77では、アクセシビリティー、ワークベンチ、ノートブック、言語、拡張機能サポート、リモート開発といった機能が追加、改善され、ドキュメントも拡充されている。GitHubのAI（人工知能）ペアプログラミングツール「GitHub Copilot」との統合機能（プレビュー段階）も試せる。

VS Codeバージョン1.77の主な変更点

アクセシビリティー関連の改善

　VS Codeバージョン1.77では、以下の機能が改善された。

ターミナルアクセシブルバッファー（スクリーンリーダーユーザーがターミナルの内容にアクセスできるようにする）が動的に更新され、［Esc］か［Tab］キーでセッションを終了するまで、アクティブ状態が維持される
ホバーコントロールにフォーカスし、［up］［down］［home］［end］［page up］［page down］キーで水平、垂直方向にスクロールできる
現在のコンテキストから離れることなく、「Notifications: Accept Notification Primary Action」コマンド（［Ctrl］+［Shift］+［A］）で通知のプライマリーアクションを実行できる
スティッキースクロール行にフォーカスし、［up］［down］キーで移動できる。選択した行に移動するには、［Enter］キーを使う

エディタの端からGitHubのディープリンクをコピー

　GitHubリポジトリで作業する際に、エディタの端からエディタの行や範囲のディープリンクをコピーできるようになった。VS Codeデスクトップでエディタの端からGitHubのパーマリンクとHEADリンクを作成できるようにするには、「GitHub Pull Requests and Issues」拡張機能をインストールする必要がある。vscode.devでは、GitHubリポジトリのディープリンクをすぐに利用できる。

ノートブック保存時にフォーマット

　ノートブックの保存時にノートブック全体をフォーマットできるようになった。この機能を有効にするには、設定「notebook.formatOnSave.enabled」を「true」に設定する。

JavaScriptとTypeScriptのswitch文でのcaseの補完

　JavaScriptまたはTypeScriptでswitch文の入力支援機能を利用できるようになった。

　switch文で「case」と入力し、「case ...」の候補を受け入れると、この型の全ての値について自動的に入力が行われる。なお、これは、切り替えられる値がユニオン型やリテラル型である場合にのみ機能する。

Pythonシンボルの移動リファクタリング

　Pythonファイル上のシンボルを選択し、表示される電球をクリックすると、シンボルを既存ファイルか新しいファイルに移動できる。移動先が新しいファイルの場合、シンボルと同じ名前のPythonファイルが作成され、該当する全てのインポート参照が自動的に更新される。

リモートトンネルの機能強化

　既存トンネルを再利用する機能が改善された他、「Continue Working in VS Code Desktop」コマンドにより、リモートからローカル開発に素早く移行できるようになった。

VS CodeでRubyを使うためのドキュメントが拡充

　「Ruby LSP」拡張機能によるRuby言語のサポート（スニペット、リント、デバッグ）について学べるようになった。

GitHub Copilot統合

　GitHub Copilotは、コードをより速く、よりスマートに書くためのAIペアプログラミングツールだ。GitHubから「GitHub Copilot Nightly」拡張機能が提供され、VS Codeの「Insider」ビルドで、以下のようなVS CodeとGitHub Copilotの深い統合機能のプレビュー版を試せるようになった。