プログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2023年5月版が公開された。2023年3月から5月まで、1〜7位は「Python」「C」「Java」「C++」「C#」「Visual Basic」「JavaScript」で、PythonとCは小差が続き、8位以降では「PHP」と「Rust」が順位を上げつつある。
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ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2023年5月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。
TIOBEインデックスはプログラミング言語の人気度を示すランキングで、同社が毎月更新している。2023年3月から5月まで、1〜7位の各言語は全く同じで、「Python」(レーティングは13.45%、以下同じ)、「C」(13.35%)、「Java」(12.22%)、「C++」(11.96%)、「C#」(7.43%)、「Visual Basic」(3.84%)、「JavaScript」(2.44%)となっている。
Pythonのレーティングは2022年11月に過去最高の17.18%に達したが、12月から6カ月連続で下落している。この間に2位のCのレーティングも下落しており、PythonとCの差は6カ月にわたって0.1ポイントで推移している。
2023年5月の各言語のレーティングについて前年同月比の変動を見ると、上位20言語のうち、上昇した言語は11ある。C++が3.13ポイント増と最も大きく上昇し、上昇幅が1ポイントを超えた他の言語は、C(1.76ポイント増)、Java(1.22ポイント増)、C#(1.04ポイント増)の3つだった。
8位以降の言語では、3月、4月と10位に食い込んだ「Go」が12位に転落し、アセンブリ言語がトップ10に返り咲いた。また、年初に10位だった「PHP」が8位に順位を上げた他、「Rust」が17位につけ、2023年に入って最高の順位となった。
TIOBE SoftwareのCEOを務めるポール・ジャンセン氏は、プログラミング言語の人気は割と安定していると述べ、「2023年5月のTIOBEインデックスの上位10言語を見ると、C#が一番若いが、誕生したのは23年前の2000年だ」と指摘する。ほぼ毎日、新しいプログラミング言語が生まれているが、そのほとんどはトップ100ランキングの圏外であり、少なくとも誕生後10年間はそうだとしている。
2023年5月のランキングでは、誕生後10年未満のプログラミング言語でトップ100に入っているものは、「Swift」(14位)、Rust(17位)、「Crystal」(48位)、「Solidity」(59位)、「Pony」(71位)、「Raku」(72位)、「Zig」(88位)、「Hack」(92位)だけしかない。これらはいずれも、誕生から5年以上経過している。つまり、新顔のトップ100入りは至難の業だと、ジャンセン氏は述べている。
逆に、古株が復活することもあると同氏は付け加え、その例として、1年前に30位だった「Fortran」が、数値計算能力に対する需要の高まりにより、トップ20に返り咲いたことを挙げている。
51〜100位のプログラミング言語については、順位の差が比較的小さいとして、次のようにアルファベット順に列挙している。
「4th Dimension/4D」「ABC」「Algol」「Alice」「APL」「AutoHotkey」「Awk」「bc」「Boo」「C shell」「CL(OS/400)」「CLIPS」「Clojure」「CoffeeScript」「Common Lisp」「Eiffel」「Elixir」「Elm」「Erlang」「GAMS」「Hack」「Icon」「IDL」「Io」「J」「J#」「JScript」「LabVIEW」「Ladder Logic」「NATURAL」「Nim」「OCaml」「OpenEdge ABL」「PL/I」「Pony」「PowerShell」「Q」「Racket」「Raku」「RPG」「S」「Smalltalk」「Snap!」「Solidity」「SPARK」「Tcl」「VBScript」「VHDL」「X++」「Zig」。
TIOBE SoftwareはTIOBEインデックスの過去12カ月の平均順位における上位10言語の他、知名度の高い5言語は5年ごとの順位もまとめている。過去20〜25年でPython、Java、C#、JavaScriptが大きく順位を上げている。CとC++も根強い人気を保っていることが分かる。
TIOBEインデックスのレーティングは、世界の熟練エンジニア、学習講座、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。レーティングの計算には、GoogleやBing、Yahoo!など広く普及した検索エンジンが使われている。
TIOBE Softwareは、「TIOBEインデックスは『どのプログラミング言語が優れているのか』『どの言語で書かれたコードの行数が多いのか』を示すものではない」と説明している。
同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかをチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかという戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。
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