Starbucksが「Cisco Meraki」用のネットワーク構成自動化ツール「Terraform Provider Meraki」のOSS化を発表した。その概要と狙いとは?
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米国Starbucksで小売インフラストラクチャ開発リーダーを務めるデクスター・パーク(Dexter Park)氏は2023年7月18日(米国時間)、「Cisco Blogs」において、「Cisco Meraki」用のネットワーク構成自動化ツール「Terraform Provider Meraki」のオープンソースソフトウェア(OSS)化を発表する記事を投稿した。以下、記事を要約する。
Terraformは、複数のクラウドプロバイダーにわたるインフラストラクチャリソースのプロビジョニングと管理に使う、OSSのIaC(Infrastructure as Code)だ。「HashiCorp Configuration Language」(HCL)という宣言型言語によって、開発者と運用チームがインフラストラクチャの望ましい状態をコードとして定義できる。
Starbucksでは、Terraformを広く使用している。4万台のデバイスと25万超のエンドポイントにわたって1万超のネットワークで構成される、スターバックスの中核小売部門におけるネットワーク構成の自動化を強化するだけでなく、クラウド、エッジコンピューティング、ネットワーキング、テレメトリーも管理している。
Terraformを使うと、「状態」を管理しながら、膨大なインフラストラクチャをコードとして管理できるので、構成のドリフトを防止できる。構成が一貫しているので、ビジネス要件に対する対応が迅速化できる。セキュリティリスクを軽減し、変更のロールバックが数分で完了するので、運用プロセスを改善する。
Terraform Provider Merakiの特徴は、使いやすさとシンプルさに重点を置いている点にある。
ネットワーク技術者がコーディングに詳しくなくても問題ない。宣言的なアプローチ、直感的に理解できる構成ファイル、そしてわずか3つのコマンドによって、広範なコーディングスキルを必要とせずに、誰でも自動化の力を活用できるという。
// Create new Meraki organization
resource "meraki_organization" "demo" {
name = "example"
api_enabled = true
licensing_model = "co-term"
}
// Create a new Network
resource "meraki_network" "demo" {
depends_on = [meraki_organization.demo]
organization_id = resource.meraki_organization.demo.organization_id
product_types = ["appliance", "switch", "wireless"]
tags = ["cisco", "meraki", "terraform"]
name = "Main Office"
timezone = "America/Los_Angeles"
notes = "example demo network"
}
「Starbucksのチームは卓越したエンジニアリングに情熱を持っており、可能な限りOSS開発の慣行に準拠する。この取り組みの一環として、私たちはこのTerraform Providerによって、コミュニティーに貢献することにした。私たちは、知識やツールを共有して業界の他の人々に利益をもたらすことができると信じており、このような形で参加できることに興奮している」(パーク氏)
詳細については、TerraformレジストリとGitHubリポジトリで確認できる。
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