Visual Studio CodeのPythonとJupyterの拡張機能がリリース Python 3.7の公式サポート終了予定も発表Python、Jupyter Notebook使用時の利便性が向上

MicrosoftはVS CodeのPythonとJupyterの拡張機能をリリースした。今回のリリースの内容はMypy拡張機能のプレビュー版などの5点。

» 2023年08月14日 08時00分 公開
[@IT]

 Microsoftは2023年7月7日(米国時間)、ソースコードエディタ「Visual Studio Code」(以下、VS Code)のPythonとJupyterの拡張機能をリリースした。

 今回のリリースの内容は以下の5点だ。

  • 拡張機能Mypyのプレビュー
  • 拡張機能Debugpyのプレビュー
  • Pylanceのローカライズ
  • Pylanceによるサードパーティーライブラリのインデックス永続化
  • Python 3.7サポートの廃止予定

拡張機能Mypyのプレビュー

 ライブラリの一つである「mypy」を使用したPythonの型チェックサポートのための拡張機能「Mypy Type Checker」がプレリリースバージョンとしてプレビューで利用可能となった。

拡張機能Debugpyのプレビュー

 MicrosoftがPythonの拡張機能からPython 2.7とPython 3.6のサポートを削除したとき、ユーザーがコードベースを最新バージョンのPythonにアップグレードできず、最新バージョンのPython拡張機能を利用してアプリケーションをデバッグすることができなかった。

 この問題を解決するため、Microsoftは「Debugpy」という独立したPythonデバッガーのための拡張機能を作成し、デバッガーをPython拡張機能から分離して拡張機能の自動更新を無効にした。そうすることで、古いバージョンのデバッガーを使用しながら、最終的には最新バージョンのPython拡張機能を使用できるようになる。

 この拡張機能は、最新バージョンのDebugpyを使用するプレリリースバージョンとしてプレビューで利用可能だ。近い将来、古いバージョンもサポートする予定だという。

Pylanceのローカライズ

 拡張機能「Pylance」がローカライズされた。拡張機能からのコマンドやその他のテキストは、言語パックがインストールされ、VS Codeでアクティブに設定されていれば、希望する言語に翻訳される。

Pylanceによるサードパーティーライブラリのインデックス永続化

 Pylanceは自動補完や自動インポート、コードナビゲーションなどのインテリセンス機能を有効にするために、環境にインストールされているサードパーティーライブラリのインデックス作成を行う。

 以前はVS Codeでワークスペースを開くと、そのたびにこれらのライブラリのインデックスをPylanceが作成していたが、現在はこれらのライブラリのインデックスを再利用するようになったため、繰り返しのインデックス作成処理の必要性が減少した。

Python 3.7サポートの廃止予定

 Python 3.7は2023年6月27日にサポート終了を迎えた。そのため、Pythonの拡張からのPython 3.7の公式サポートは、3カ月後のリリースとなる「2023.18」のナンバリングで終了する(VS Codeの2023年9月リリースに対応する)。ただし、Python 3.7のサポートを積極的に削除する予定はないため、拡張機能は当面Python 3.7で非公式に動作し続ける見込みだ。

 Pythonの他の全てのリリースが毎年リリースされるようになったため、Pythonのリリースが翌年の最初の拡張機能リリースでサポート終了に達すると、Microsoft社は公式サポートを停止する予定だ。ちなみに、Python 3.8は2024年10月にサポートを終了する予定のため、2025年の最初の拡張機能リリースで公式サポートを停止するということになる。

その他の変更点と強化された機能

 VS CodeでPythonやJupyter Notebookを使用する際の利便性を向上させるため、小さな機能の強化やユーザーから要望のあった問題の修正も行われた。

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