OpenAI、企業用のAIアシスタント「ChatGPT Enterprise」を提供開始GPT-4を2倍高速かつ無制限で利用可能に

ChatGPTを開発したOpenAIは企業用のAIアシスタント「ChatGPT Enterprise」のサービス提供を開始した。ChatGPT Enterpriseでの全ての会話は暗号化されるため、企業のプライバシーは保護されるという。

» 2023年09月13日 08時00分 公開
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 OpenAIは2023年8月28日(米国時間)、ChatGPTをシンプルで安全な方法で組織に取り入れることができるという「ChatGPT Enterprise」サービスの提供を開始した。

暗号化によって企業のプライバシーを保護

 ChatGPT EnterpriseはSOC 2(Service Organization Control Type 2) に準拠しており、全ての会話は転送中および静止時に暗号化されるという。「企業のプライバシーは保護され、ChatGPT Enterpriseのビジネスデータや会話から学習することはない。新しい管理コンソールでは、チームメンバーを簡単に管理でき、ドメイン認証やSSO、利用状況のインサイトを提供し、企業への大規模な展開ができるようになる」(OpenAI)

 ChatGPT Enterpriseは全ての使用上限を撤廃しているという。ChatGPT Enterpriseには3万2000トークンのコンテキストを含んでおり、ユーザーは従来より4倍長く入力したりファイルを処理したりすることができる。また、コードインタープリターとして知られている高度なデータ解析への無制限のアクセスを提供することにより、市場データを分析する金融リサーチャーやETLのスクリプトをデバッグするビッグデータの分析者、調査結果の分析担当者など、技術的なチームもそうでないチームも、数秒で情報を分析できるようになるとしている。

 ChatGPTを組織に合わせてカスタマイズしたい場合は、新しい共有チャットテンプレートを使って共同作業や共通のワークフローを創出することも可能だ。ChatGPT EnterpriseのユーザーがOpenAIの拡張と完全なカスタムソリューションを希望する際、APIを使用するための無料クレジットが含まれている。

ChatGPT Enterpriseの詳細

  • GPT-4への無制限アクセス(使用量上限なし)
  • GPT-4の高速化(最大2倍高速化)
  • 高度なデータ解析への無制限アクセス
  • 4倍長い入力やファイルの処理、またはフォローアップのための3万2000トークンのコンテキストウィンドウ
  • 社内で共有できるチャットテンプレートで、共同作業や共通のワークフローを構築可能
  • OpenAIを拡張してカスタムソリューションを構築する際に利用できるAPIの無料クレジット

さらに多くの機能を準備中

 OpenAIは2023年9月現在、多くの機能を準備中で、準備が整い次第発表する予定であることも表明している。準備中の主な機能は以下の通り。

  • カスタマイズ:既に使用しているアプリケーションと接続することで、ChatGPTのナレッジを安全に拡張できる
  • 全てのチームサイズに対応:小規模チーム向けのセルフサービス「ChatGPT Business」の提供
  • パワーツール:業務に最適化された高度なデータ分析とブラウジングのさらに強力なバージョン
  • 機能別ソリューション:データアナリスト、カスタマーサポート、マーケティング担当者など、特定の役割のためのツールをさらに充実させる

 OpenAIは、より詳細なChatGPTのロードマップを将来的な顧客と共有し、ユーザーからのフィードバックに基づいてChatGPT Enterpriseを進化させ続ける狙いだ。

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