アナリストのケリー・ドイル氏はWebメディア「TechTarget」にてプログラム言語「Roc」について解説した。HaskellやElmとの共通点が多く、ランタイムに依存しない、数学的計算に強いなどの特徴がある。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
アナリストのケリー・ドイル氏は2023年8月25日(米国時間)、Webメディア「TechTarget」にてプログラム言語「Roc」について解説した。
Rocは関数型のバイナリへのコンパイルプログラミング言語で、リファクタリングを簡素化し、低レベルのアプリケーションや組み込みシステムの開発をサポートする。同氏は「純粋で機能的なプログラミングアプローチを組み込んだ読みやすい言語だ」としている。
Recの特徴は以下の4つ。
Rocは「静的型付け言語」で、プログラマーにコードの簡潔な記述を促す。リファクタリング中にコードとスクリプトのセグメントを分離して、更新を修正するためにコードベースを検索するのにかかる時間を最小限に抑えることも可能だ。また、Rocの構文は読みやすさに重点を置いており、比較的ソースコードが理解しやすくなっているという。
ランタイムを分離することで、32ビット/64ビットのArmやIntelなどのさまざまなプロセッサプラットフォームにコードを簡単に展開できる。また、クラウドベースのコード、高性能アプリケーションのビルド、バックエンドの通信チャネル、その他の複雑な開発プロジェクトのために、サーバ側のWebAssemblyにコンパイルできる。
Rocのデータ型はシンプルで、テストを簡素化できる。開発者はコードベース全体をテストする代わりに、さまざまなコード要素を分離し、各機能を個別にテストして問題を特定し、一貫性を確保することでモジュールレベルでアプリケーションのパフォーマンスを調整できるという。
RocはHaskellやElmとの共通点が多く、数学的計算に焦点が当てられていることも共通している。Rocは関数型プログラミングに興味を持つ初心者に適している。「ただし、数学や関数プログラミングに慣れていない場合はPythonやElmから始めるといいだろう」とドイル氏は述べている。
こうした特徴を持つRocだが、幾つかの懸念事項もある。Rocはまだ開発初期段階にあり、オープンソースソフトウェアライセンスで提供されているものの、リポジトリは完全に公開されておらず、標準ライブラリも部分的にしか完成していない。また、開発コミュニティーは構築中のため、十分なサポートが得にくい。その点は初心者プログラマーにとってハードルが高いといえるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.