日本主導の日米共同開発で思い知らされた現実を、開発の総責任者が振り返る本連載。第1回は日本における「阿吽の呼吸」という文化についての、それまでの認識が甘かったことについて語ります。
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日本企業が米国に自社の開発チームを結成して日米共同開発を行うと、カルチャーギャップなどさまざまな課題に直面します。本連載では、大規模なSaaSの日米共同開発を指揮するセゾン情報システムズ 執行役員の有馬三郎CTO(最高技術責任者)が自らの体験を語ります。(編集部)
こんにちは。セゾン情報システムズ 執行役員 CTOの有馬です。
当社は3年半、日米共同チームで「HULFT Square」というSaaSを開発してきました。初めて行う海を越えた開発では、想像しなかった問題を経験してきました(現在進行形で起きています)。もちろん、今となってみれば、こうした経験を貴重な学びに転換できたり、プロダクト開発におけるメリットが出てきたりした部分もたくさんあります。
この連載を通じて、日本と米国とのプロダクト開発の違いや、共同チームの難しさ、学び、楽しさなどをご紹介していきたいと考えています。グローバルチームで仕事をしてみたい方や、今これで苦労しているエンジニアの参考になれば幸いです。
以下のテーマで書いていく予定ですので、お付き合いください。
第1話 阿吽(あうん)の呼吸はグローバルでも使えるか
第2話 決まらない会議はなぜ起こる
第3話 延々と続くコードレビュー
第4話 クラフトマンシップを超えたその先の世界
第1話である今回は、最初にぶつかった課題である、阿吽の呼吸や以心伝心のような日本の良き伝統と、日米共同プロダクトとの相性問題について記載します。
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