Google Cloudは、フルマネージドのPostgreSQL互換データベースサービス「AlloyDB for PostgreSQL」のダウンロード版である「AlloyDB Omni」の一般提供を開始した。
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Google Cloudは2023年10月12日(米国時間)、フルマネージドのPostgreSQL互換データベース(DB)サービス「AlloyDB for PostgreSQL」のダウンロード版である「AlloyDB Omni」の一般提供を開始したと発表した。
PostgreSQLは、オープンソースの代表的なリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)の一つ。2022年5月に発表されたAlloyDB for PostgreSQLは、PostgreSQLと完全互換である他、Google Cloudインフラとの統合度を高めることなどにより、PostgreSQLよりもパフォーマンスと可用性を向上させている。
このクラウドベースのAlloyDBサービスのダウンロード版であるAlloyDB Omniは、以下のようなワークロードを抱える顧客向けに提供されており、データセンター、ノートPC、エッジ、クラウドなど、どこでも実行できるように設計されている。
AlloyDB Omniは以下の特徴を備えている。
PostgreSQLと完全な互換性があるため、既存のアプリケーションを変更せずに実行できる。標準のPostgreSQLドライバを使用して、PostgreSQLの拡張機能とフラグとの完全な互換性を実現する。
クラウドベースのAlloyDBの基盤となるエンジンと同じものを搭載しており、クラウドへの移行に際して、レガシーデータベースのモダナイズに使用できる。Googleが実施したテストでは、トランザクションワークロードで標準のPostgreSQLより2倍以上高速なパフォーマンスを発揮した。
オペレーションデータをデータウェアハウスにコピーせずに分析情報を取得できる。クラウドベースのAlloyDBのカラム型エンジンを搭載しているため、頻繁にクエリされるデータがインメモリカラム型形式で保存され、ビジネスインテリジェンス、レポート、ハイブリッドのトランザクション処理と分析処理(HTAP)のワークロードでパフォーマンス向上を実現する。Googleのテストでは、標準のPostgreSQLと比べて最大100倍高速に分析クエリを実行した。
クラウドベースのAlloyDBに組み込まれた機能の統合セットである「AlloyDB AI」をサポートしている。開発者はAlloyDB AIを、オペレーションデータを用いてエンタープライズグレードのAIアプリケーションを構築するために利用できる。AlloyDB AIは、標準のPostgreSQLと比べて最大10倍高速なベクトルクエリや、SQLを使用したベクトルエンベディングの生成を実現し、Google Cloudのフルマネージド機械学習プラットフォーム「Vertex AI」の「Model Garden」(厳選された100以上のモデルのコレクション)やオープンソースのAIツールを含むGoogle CloudのAIエコシステムに統合されている。
「Google Cloudカスタマーケア」の「スタンダードサポート」が利用できる。顧客がGoogle Cloudアカウントで選択したサポートプランは、そのアカウントで購入したAlloyDB Omni SKUに自動的に適用される。
Googleが提供するKubernetes APIの拡張である「AlloyDB Omni Operator」のプレビュー版もリリースされた。AlloyDB Omni Operatorは、データベースのプロビジョニング、バックアップ、安全な接続、観測可能性など、一般的なデータベースタスクを簡素化し、ほとんどのKubernetes環境でAlloyDB Omniを実行できるようにする。
AlloyDB Omniの料金体系は、シンプルさ、手ごろな水準、管理しやすさ、ワークロードの増大に応じた簡単なスケーリングを考慮して設計されている。開発者サブスクリプションは無料で、16-vCPUのスターターサブスクリプションが月額1295ドル、100-vCPUブロックの標準サブスクリプションが月額6995ドル。既存のエンタープライズディスカウントプラン(EDP)に加え、1年契約、3年契約による割引も用意されている。
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