Synergy Research Groupは、世界のCPaaS市場の動向調査を発表した。
Synergy Research Groupは2023年10月11日(米国時間)、世界のCPaaS(Communications Platform as a Service:API経由で通信機能を提供するクラウドサービス)市場の動向調査を発表した。マクロ経済の懸念がある中でも、CPaaSは引き続き力強い市場成長を示しており、CPaaSは新たな顧客接点やエクスペリエンスを創造、強化するための強固な基盤になるという。CPaaS市場規模は2023年中に、年間80億ドルに達する見込みだ。
同調査によると、CPaaS市場は全世界で前年同期比15%以上の成長を示し、Twilioは市場シェア1位の座を維持している。Twilioは、過去数四半期にわたって35%以上の市場シェアを獲得しており、世界市場シェアのリーダーとして、存在感を発揮している。
1位と大差をつけられながらも、Vonage、Sinch、Infobipなどのベンダーが、2位を争う熾烈な競争を繰り広げている。Vonage、Messagebird、8x8のような企業は、地域の専門分野に重点を置くことに成功しており、地域市場全体でより強力な市場シェアを獲得している。
APAC(アジア太平洋)地域では、Vonageがシェアのリーダーであり、TwilioとSinchが続く。
Synergy Research Groupは、CPaaS市場の中でもTelco APIとEmail APIの2つのサブマーケットを追跡している。Telco APIはSMS、音声、動画におけるAPIベースの通信サービスを、Email APIはAPIを活用した電子メールサービスを指す。
Synergy Research Groupの主席アナリストであるファジル・バルカヤ氏は次のように述べている。
「Telco APIの主なアプリケーションは引き続きSMSだが、音声や動画など、より価値の高いAPIの関連性と重要性がますます高まっている。市場リーダーは長い間、顧客維持を強化するために幅広いCPaaSポートフォリオを活用し、API主導のもとで顧客数を増やしてきた。CPaaS市場は、APIベースの接点を通じて、企業や顧客とのコミュニケーションを向上させる手段としてさらなる価値を証明できるという意味で、極めて重要な転換点にある。CPaaS市場は力強い2桁成長を維持しており、2025年には100億ドルを超えると予測している」
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