富士通など3社が「IPレイヤーと光伝送レイヤーを融合させた地域網内ネットワーク」を運用開始KDDIの「5G」「auひかり」などのサービスにも影響

KDDI、シスコシステムズ、富士通の3社は、IPレイヤーと光伝送レイヤーを融合させた地域網内ネットワーク「メトロネットワーク」の本運用を開始した。従来の構成と比べて電力使用量を約40%削減している。

» 2023年11月06日 08時00分 公開
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 KDDI、シスコシステムズ、富士通の3社は2023年10月31日、IPレイヤーと光伝送レイヤーを融合した地域網内ネットワーク「メトロネットワーク」の本運用を開始したと発表した。KDDIは2028年度末までにこのメトロネットワークを全国展開するという。

画像 メトロネットワークの構成イメージ(提供:富士通

ルーターで直接WDM用光信号を受信

 メトロネットワークは、Cisco Systems製ルーター「NCS5500」シリーズと、富士通製OLS(Open Line System)「1FINITY」シリーズを利用し、IPレイヤーと光伝送レイヤーを融合させた構成になっている。

 従来構成と比べて、低消費電力化、省スペース化、迅速な設備拡張が可能といった特徴がある。KDDIは2021年から一部エリアのメトロネットワークに試験的に導入しており、運用の安定性が確認できたことから、「5G」「auひかり」「法人VPN」など複数のサービスを収容し、本運用を開始することとなった。

 IPレイヤーと光伝送レイヤーを融合させた構成は、従来外付けで設置していたWDM(波長分割多重)用トランスポンダの筐体(きょうたい)が不要なため、機器設置スペースを節約できる。WDM用トランスポンダ自体は小型化して光モジュールとしてNCS5500シリーズに実装。光モジュール自体も「半導体製造プロセスの改良によって低消費電力化した」という。

画像 WDM用トランスポンダの筐体が不要に(提供:富士通

 OLS(1FINITYシリーズ)は設備拡張の柔軟性向上に貢献している。OLSは他社製品を含む、さまざまな機器との接続が可能なため、局間の伝送容量を拡張する際もルーター側のハードウェア増設や設定変更だけで容量を拡張できる。富士通は「将来の通信トラフィックの増大に応じて、迅速な対応が可能だ」と述べている。

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