GitHub、「GitHub Copilot Chat」を2023年12月に一般提供開始 教師、学生、人気オープンソースプロジェクトの管理者なら無料“開発者の2つ目の頭脳”をうたう「GitHub Copilot Workspace」も発表

GitHubは生成AIを活用したGitHub Copilot Chatの一般提供を2023年12月に開始すると発表した。

» 2023年11月28日 13時00分 公開
[@IT]

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 GitHubは2023年11月8日(米国時間、以下同)、2023年12月に「GitHub Copilot Chat」(以後、Copilot Chat)の一般提供を開始すると発表した。GitHub Copilotのサブスクリプションプランの一部として組織および個人ユーザーに提供される予定だ。教師、学生、人気のオープンソースプロジェクトの管理者は無料で利用できるという。

 Copilot Chatはソフトウェア開発を支援する生成AI(人工知能)ツールだ。ソースコードの自動生成や開発者に対する提案、エラーの発見、単体テストの記述、コードのデバッグを支援する。

Copilot Chatの主要機能

GPT-4でCopilot Chatを強化

 OpenAIのGPT-4モデルを活用しており、Copilot Chatの体験が向上する。より正確なコードの提案と説明が提供されるようになるという。

コードを認識したガイダンスとコード生成

 Copilot Chatはコードをコンテキストとして使用し、複雑な概念の説明や開いているファイルやウィンドウに基づくコードの提案、セキュリティ脆弱(ぜいじゃく)性の検出、コード、ターミナル、デバッガでのエラーの検出と修正を支援する。

インラインで特定の行についてチャット

 新しいインラインCopilot Chatにより、開発者はコードとエディターのフロー内で直接、特定のコード行についてチャットできる。

スラッシュコマンドで作業を効率化

 GitHub Copilotにスラッシュコマンドとコンテキスト変数を導入した。コードの修正や改良は/fix、テストの生成は/testsと入力するだけで済むようになった。

ワークフローを1クリックで完結

 1クリックするだけでワークフローを完結できるスマートアクション機能を追加した。コード変更提案やプルリクエストのレビュー内容を修正したり、生成されたレスポンスを活用してコミットやプルリクエストをスピードアップしたりできるという。

JetBrainsへのCopilot Chatの導入

 Copilot ChatはJetBrainsのIDEスイートに導入され、2023年11月8日からプレビューで利用できる。

github.comとモバイルアプリに登場予定

 GitHubは、Copilot Chatをgithub.comに統合する取り組みを進行させている。統合完了後、開発者はCopilot Chatを使用してコード、プルリクエスト、ドキュメント、一般的なコーディングに関する質問を掘り下げることができる。また、GitHubの高度なコード検索機能と組み合わせることで、Copilot Chatが人気のオープンソースプロジェクトの最新の変更を理解し、支援するという。

GitHubリポジトリでのCopilot Chatの利用イメージ(提供:GitHub) GitHubリポジトリでのCopilot Chatの利用イメージ(提供:GitHub)

 またCopilot Chatはモバイルアプリで利用可能になる。iPhoneやAndroidデバイスで入力または音声で入力した自然言語の力を活用し、開発者はプログラミングに関して質問し、アプリ内で表示するリポジトリ、ファイル、ドキュメントについての答えを得られる。

組織にあわせてカスタマイズ可能な「GitHub Copilot Enterprise」も提供

 企業向けに提供予定のGitHub Copilot Enterpriseでは、Copilotの機能を統合し、組織のコードベースの全コンテキストに基づいてカスタマイズされたCopilot Chatを提供するという。開発者はコードベース、検索、ドキュメントのビルドに迅速に慣れ、内部コードやプライベートコードに基づく提案を受け取り、プルリクエストを効率的にレビューできる。

 GitHub Copilot Businessの料金は1ユーザーあたり月額19ドル、Copilot Enterprise(2024年2月より利用可能)は1ユーザーあたり月額39ドルで提供予定だ。

GitHub Copilot BusinessおよびCopilot Enterpriseの料金体系(提供:GitHub) GitHub Copilot BusinessおよびCopilot Enterpriseの料金体系(提供:GitHub)

GitHub Copilot Partner Programでエコシステムを促進

 GitHubは、発表に合わせて「GitHub Copilot Partner Program」を開始することも明らかにしている。

 同プログラムは、GitHub以外のサードパーティーの開発者ツールやオンラインサービス、外部ナレッジとCopilotを統合することを目的としている。エコシステムを育成することで、新たなネットワークと創造性をもたらし、AIを扱う開発者の可能性の幅を広げられるだろうと、GitHubは述べている。

GitHub Advanced SecurityでAIを活用したセキュリティ機能を提供へ

 GitHub CopilotにはLLM(大規模言語モデル)ベースの脆弱性(ぜいじゃくせい)防止システムが組み込まれ、ハードコードされた認証情報、SQLインジェクション、パスインジェクションなどの一般的な脆弱性を中心に、安全でないコーディングパターンをリアルタイムでアクティブにブロックしているという。

 Copilot Chatの追加により、統合開発環境(IDE)内の脆弱性を特定し、自然言語による説明を提供し、ハイライトされたコードに対する具体的な修正を提案することで、セキュリティが強化されるとしている。

 これらの機能は現在プレビューで利用可能であり、間もなくGitHub Advanced Security サブスクリプションプランに含まれる予定だ。

「GitHub Copilot Workspace」を2024年に提供予定

 開発者にとって最大の障壁となるのがアイデアをコードに落とし込み、プルリクエストまでの計画を立てるフェーズだ。GitHubは開発者がこの障壁を乗り越えるのを支援するために、AIを活用したGitHub Copilot Workspaceを開発し、2024年の提供を予定していることも明らかにした。

 GitHubは、Workspaceを提供することで、開発者がAIを2つ目の頭脳として活用し、自然言語による創造性を活用して価値のあるソフトウェアをほんの数分で生み出す時代に近づくことができるだろうと述べている。

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