「Amazon RDS for Db2」提供開始 IBM Db2ユーザーもAmazon RDSでのデータベース構築が可能にMySQL、Oracle Databaseなどに続きIBM Db2も利用可能に

AWSはAmazon RDS for Db2の提供開始を発表した。これまでにMySQL、Oracle Databaseなどのリレーショナルデータベース管理システムによりAWS上でデータベースサーバの構築が可能だったが、ここに新しくIBM Db2が加わった。

» 2023年12月12日 08時00分 公開
[@IT]

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 Amazon Web Services(AWS)は2023年11月27日(米国時間)、IBMとAWSが提携して「Amazon Relational Database Service for Db2」(Amazon RDS for Db2)の提供を開始したことを発表した。これまでに「Amazon Aurora」「MySQL」「Oracle Database」「Microsoft SQL Server」などのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)によりAWS上でデータベースサーバの構築が可能だったが、ここに新しく「IBM Db2」が加わった。

 IBM Db2はIBMが開発したエンタープライズグレードのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)だ。強力なデータ処理機能、堅牢(けんろう)なセキュリティメカニズム、スケーラビリティ、さまざまなデータタイプのサポートなど、包括的な機能セットを提供している。

 Amazon RDS for Db2を使用すると、AWSマネジメントコンソールで数回クリックするか、AWSコマンドラインインタフェース(AWS CLI)にコマンドを入力するか、AWS SDKで数行のコードを記述するだけで、Db2データベースを作成できる。AWSがインフラ関連の作業を引き受けるため、アプリケーションのスキーマやクエリの最適化などのタスクに時間を費やすことが可能になる。

Amazon RDSのメリット

 Amazon RDSでDb2を動かすことには、主に次のようなメリットがある。

  • コードの変更なしに移行可能
  • インフラストラクチャの管理が不要
  • データベースの完全な管理
  • 柔軟なスケーリング
  • ストレージ選択が可能
  • 自動バックアップ、復元が容易
  • 高可用性のデプロイ
  • AWS基盤
  • 高評価のセキュリティとコンプライアンス

Amazon RDS for Db2の開始方法

 最初にDb2データベースを作成し、IBMが提供する標準ツールを使用して接続する方法を紹介する。

1.データベースを作成する

(提供:AWS)

 AWSマネジメントコンソールのAmazon RDSページに移動し、「Create database」を選択し、IBM Db2を選択する。

 ページをスクロールして「IBM Db2 Standard」から「Engine Version 11.5.9.」を選択。次に「Templates」から「Production」を選択する。

2.設定する

(提供:AWS)

 「Settings」でRDSインスタンスに名前を付け、マスターユーザー名とパスワードを設定する。

3.インスタンスを構成する

(提供:AWS)

 「Instance configuration」でデータベースを実行するノードのタイプを選択する。これにより、仮想サーバのハードウェア特性(vCPUの数、メモリの量など)が定義される。アプリケーションの要件に応じて、IBM Db2 Standardインスタンスに最大32 vCPUと128GiBのRAMを備えたインスタンスを割り当てることができる。IBMDb2 Advancedインスタンスの場合は、最大128個のvCPUと1TiBのRAMとなる。このパラメータは費用に直接影響する。

4.ストレージを選択する

(提供:AWS)

 「Storage」では、この例では「Amazon Elastic Block Store」(Amazon EBS)ボリュームのタイプ、サイズ、IOPSとスループットを選択した。このデモではデフォルトで提案されている値を受け入れている。これも価格に直接影響するパラメータだ。

5.接続

(提供:AWS)

 「Connectivity」で、データベースがデプロイされるVPC(プライベートネットワーク)を選択する。「Public access」で「No」を選択し、データベースインスタンスにプライベートネットワークからのみアクセスできるようにする。

 さらに「VPC security group」を選択する。これはどのIPアドレスまたはネットワークが、どのTCPポートでデータベースインスタンスにアクセスできるかを定義するネットワークフィルターだ。アプリケーションがDb2データベースに接続できるように、TCP 50000 を開いた状態でセキュリティグループを選択もしくは作成する。

6.追加構成

 「Additional configuration」では初期データベース名を指定できる。また、「Backup」ではAmazon RDS自動バックアップのパラメータも含まれており、期間とバックアップを保持する期間を選択できる。

 全てのデフォルトを受け入れ、「Create database」を選択する。これでデータベースが使用可能になる。

7.データベースへの接続

 データベースのエンドポイントのDNS名を選択し、同じネットワークで実行されているLinuxマシンに接続する。次にIBMのWebサイトからダウンロードしたDb2クライアントパッケージをインストールする。

 接続したら、Db2TutorialのWebサイトからサンプルデータセットとスクリプトをダウンロードし、データベースに対してスクリプトを実行する。

8.BM顧客IDとサイト番号の入力

(提供:AWS)

 カスタムDBパラメータグループを作成し、起動時にデータベースインスタンスにアタッチする。

価格

 Amazon RDS for Db2の価格はオンデマンドであり、サブスクリプションなどはない。データベースの実行時間、プロビジョニングされたデータベースストレージと使用したバックアップストレージの1カ月当たりのGB数およびプロビジョニングしたIOPSの数によってのみ支払われる。また、Amazon RDS for Db2では、独自のDb2ライセンスが必要になる。

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