チェコ政府は、「国家行政におけるDNSSECおよびIPv6技術導入の再開」と題した決議案を承認した。決議案には2032年6月6日をもってIPv4での行政サービス提供を終了し、IPv6への完全移行を目指すことが盛り込まれている。
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チェコ政府は2024年1月17日(チェコ時間)、IPv4プロトコルによる行政サービスの提供を2032年6月6日を持って終了させることを盛り込んだ「国家行政におけるDNSSEC(DNSセキュリティ拡張)およびIPv6技術の導入の再開」決議を承認した。
チェコのccTLD(country code Top Level Domain)である「.cz」を管理するCZ.NICは特設サイトで、次のように述べている。
「1980年代からインターネット通信の重要な要素だったIPv4は、インターネットに接続されたデバイスに一意のアドレスを割り当てる上で効果的に機能してきた。だが、デバイスやサービスの増加に伴い、アドレス数が限られるIPv4は不十分となっている。インターネットインフラのスケーラビリティ、セキュリティ、効率さを保証するためには、ほぼ無限のアドレス(※)を提供するIPv6への移行が必要だ」
(※編注:IPv4で使用可能なIPアドレスは約43億個、IPv6は約340澗〈かん〉個)
チェコ政府が承認した決議案には、「2009年や2013年の決議に基づいて、DNSSEC技術導入およびIPv6への移行を履行できていない政府および行政機関の責任者は、2024年12月31日までに是正すること」「2032年6月6日からIPv4による行政サービス提供を停止すること」「毎年6月30日にIPv6移行の達成状況を産業貿易省のWebサイトで公開すること」などが盛り込まれている。
CZ.NICは、決議案の承認を受けて公開した公式ブログの投稿で、次のように述べている。
「IPv4アドレスが枯渇し、市場価格が上昇するにつれてIPv6への移行が進むと期待されていたが、残念ながら全てのインターネットサービスがIPv6で提供される状況には到達できていない。この問題にチェコ政府が関心を寄せ始めたのは有益なことだ。グローバルでIPv4から移行するには、より多くの人々が議論に参加する必要がある。チェコ政府の野心的な取り組みが、『最初のドミノ』になることを期待している」
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