Google、Kubernetes1.29に対応した「Google Kubernetes Engine」の新機能を解説クラスタ管理者を支援する機能を追加

Googleは「Kubernetes 1.29」に対応した「Google Kubernetes Engine」(GKE)の新機能を解説した。

» 2024年02月26日 12時30分 公開
[@IT]

 Googleは2024年2月7日(米国時間、以下同)、「Kubernetes 1.29」に対応した「Google Kubernetes Engine」(GKE)の新機能を解説した。

 GKEでは「Rapid」「Regular」「Stable」の3つのリリースチャンネルが用意されており、1月11日にRapidチャンネルで、1月26日にRegularチャンネルでKubernetes 1.29に基づくGKE 1.29の提供を開始している。

 GKE 1.29で利用可能になった機能は次の通り。

Common Expression Language(CEL)を使用したアドミッションポリシー検証

 Kubernetes 1.29でβ版に移行したアドミッションポリシー検証の機能が利用可能になった。アドミッションポリシー検証は、Kugbernetesクラスタ内でリソースが作成されたり変更されたりする際に、ポリシーや基準に適合しているかどうかについて、Googleによって開発された式指向言語であるCommon Expression Language(CEL)を使用して検証できる機能だ。

 アドミッションポリシー検証機能を利用するには、β版APIを有効にする必要がある。

initコンテナをサイドカーコンテナとして利用可能に

 アプリケーションコンテナのイメージと分離されているinitコンテナを、Pod内の通常のコンテナと並行して実行されるサイドカーコンテナとして設定可能になった。

 ジョブ完了まで終了できないPodを必要とするAI(人工知能)やML(機械学習)のワークロードでニーズがある機能であり、長い間Kubernetesコミュニティーで待望されていた機能の一つだと、Googleは述べている。

API Priority and Fairness(APF)とフロー制御

 KubernetesのAPIサーバ(Kube-apiserver)の負荷状態を制御する「API Priority and Fairness」(APF)機能がKubernetes 1.29でGA(一般公開)となり、GKE 1.29でも利用できるようになった。

 APFを利用することで、KubernetesのAPIサーバへの大量のリクエストを細かく制御、分離できるようになった。これによりAPIサーバが過負荷状態になることを防いだり、サーバのクラッシュを防いだりできるという。

非推奨と削除

 GKE 1.29では以下の機能が廃止または非推奨となっている。

  • v1beta2バージョンのPriority APIおよびFairness API(廃止)
  • v1beta3バージョンのPriority APIおよびFairness API(非推奨、バージョン1.32で廃止予定)
  • Node APIにおけるstatus.kubeProxyVersionフィールド(非推奨、バージョン1.33で入力不可に)
  • 安全でないSHA-1アルゴリズムのサポート(廃止)
  • Ceph CephFS(kubernetes.io/cephfs)およびRBD(kubernetes.io/rbd)ボリュームプラグイン(非推奨、今後のリリースで削除予定)

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