Rustプロジェクトの調査チームはユーザーを長期にわたって追跡し、コミュニティーの発展やRustの使用状況、課題や改善すべき点を分析している。本稿では2023年末から2024年にかけて実施した8回目の調査結果を紹介する。
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Rustプロジェクトの調査チームは2024年2月19日(米国時間)、プログラミング言語「Rust」に関する2023年の調査結果を発表した。Rustユーザーおよび愛好者を対象にしたこの調査は今回で8回目。2023年12月18日から2024年1月15日までアンケートを実施した。
2023年にRustを使用した人の約半数が、ほぼ毎日Rustを使用していると答えている。
67.3%が「学習機会がないから」と答え、「難し過ぎる」と答えた人の2倍以上になった。
Rustの専門知識があると答えた回答者の割合は、過去1年間で全般的に増加していることが分かる。23%がRustで簡単なプログラムしか書けず(2022年から6ポイント減少)、28%が苦労しつつも本番で使えるコードを書け(1ポイント増加)、47%がRustを使って生産的なコードが書けると答えた(2022年の42%から増加)。
Rustプログラマーは、多様なプラットフォームをターゲットにRustプログラムを開発しているが、最も人気のターゲットはLinuxマシンだった。WebAssembly、組み込み、モバイルプラットフォームをターゲットとするユーザーも若干増加した。
クロスプラットフォームエディタ「Visual Studio Code」が依然として最も人気のある選択肢だが、2023年リリースされた「RustRover」も16.4%の支持を集めている。
2023年の調査回答者の34%が、職場でコーディングの大部分にRustを使用しており、これは2022年から5ポイントの増加となる。このグループのうち33.9%は、Rustを重要な仕事で使用していると答えている。
「正しくバグのないソフトウェアを構築できること」が86%に上り、「Rustのパフォーマンス特性(スピード、メモリフットプリントなど)」が83%、「セキュリティと安全性」が70.5%でそれに続いた。
「Rustが自社の目標達成に役立った」との回答が79%に上り、2022年から7ポイント増加した。また、77%の回答者が、「今後もRustを使用するだろう」と回答、「導入コストに見合う価値がある」との回答が2022年の60%から2023年の64%に増加した。
Rustはサーバサイドやバックエンドアプリで52.7%と多く利用され、また、クラウド技術の開発関連などでも利用されている。
「Rustが複雑になり過ぎる」ことを懸念する回答者が43%を占め、2022年から5ポイント増加した。回答者の42%は、技術業界におけるRustの使用レベルが低いことを懸念している。2023年の回答者の32%は、Rustの開発者やメンテナーが適切にサポートされていないことを懸念しており、2022年から6ポイント増加した。
Rustユーザーはtrait関連や、constの実行、非同期(非同期クロージャ、コルーチン)の分野の改善を最も望んでいる。
回答者の20%は「Rustの新機能の開発を遅らせてほしい」と答えており、これは前述の「Rustが複雑になり過ぎる」という懸念と密接に関係している。Rust調査チームは「Rustユーザーが最も苦労しているのは、非同期Rust、traitとジェネリクスのシステム、そしてBorrow Checkerのようだ」と分析している。
Rustが取り組むべき課題としては、回答者の67.9%がコンパイラのバグ修正(68%)、次いでRustプログラムのランタイムパフォーマンスの改善(57.5%)、コンパイル時間の改善(44.7%)を優先してほしいと答えた。
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