プログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2024年3月版が公開された。変動が少ない中、Pythonがリードを広げた他、Scratchがトップ10に返り咲き、Rustも再び上昇してきた。
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ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2024年3月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。TIOBEインデックスはプログラミング言語の人気度を示すランキングで、同社が毎月更新している。
TIOBEインデックスは、世界の熟練エンジニアや学習講座、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。レーティングの計算には、人気のあるGoogle、Amazon.com、Wikipedia、Bingや、他の20以上のWebサイトが使われている。
なお、TIOBEインデックスは「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。
同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。
2024年3月のランキングでは「Python」が15.63%のレーティングを獲得し、首位を維持した。2〜6位は「C」(11.17%)、「C++」(10.70%)、「Java」(8.95%)、「C#」(7.54%)、「JavaScript」(3.38%)となった。
2023年7月以降、これら6言語の順位は不動だ。だが、Pythonと2位のCのレーティング差は、ここ数カ月で徐々に広がってきている。TIOBE SoftwareのCEO(最高経営責任者)を務めるポール・ジャンセン氏は、「PythonはCを約4.5ポイント引き離した。両者の差はかつてなく大きくなっている」と指摘している。
Pythonのレーティングがこのところ上昇しているのに対し、Cは停滞傾向にある。
また、上位20言語のレーティングの前年同月との変動を見ると、JavaScriptの伸びが1.21ポイント増と最大で、PythonやC#、「Go」「Scratch」など多くの言語が小幅に上昇しているが、2〜4位のC、C++、Javaは落ち込みが大きい。この3言語の前年同月比での落ち込みは、ここ数カ月続いている。
ジャンセン氏は、3月のランキングにおける他の興味深い動きとして、Scratchがトップ10に返り咲いたことと、「Rust」が順位を伸ばしていることを挙げている。Rustは2023年には17位が最高位で、そこから下降した時期もあったが、3月に再びこの順位につけた。
TIOBE Softwareは21〜50位のランキングも公開している。
51〜100位のプログラミング言語については、順位の差が比較的小さいとして、次のようにアルファベット順に列挙している。
「ABAP」「ABC」「ActionScript」「Algol」「Apex」「APL」「Awk」「bc」「Bourne shell」「Carbon」「CFML」「CHILL」「CLIPS」「Clojure」「Crystal」「Curl」「DiBOL」「Eiffel」「Elixir」「Groovy」「Hack」「Icon」「IDL」「Io」「J」「J#」「JScript」「LabVIEW」「Ladder Logic」「LiveCode」「Modula-2」「NATURAL」「Nim」「OCaml」「OpenCL」「OpenEdge ABL」「PL/I」「PL/SQL」「PostScript」「Q」「Racket」「REXX」「Ring」「Smalltalk」「SPARK」「SPSS」「Tcl」「VHDL」「Wolfram」「Zig」
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