IBMはメインフレームスキル協議会の発足を発表した。メインフレームスキル協議会は、メインフレームプラットフォーム向けのグローバル人材を育成するための組織だ。本記事では同協議会の概要を紹介する。
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IBMは2024年3月6日(米国時間)、メインフレームのグローバル人材を育成する組織、「メインフレームスキル協議会」(Mainframe Skills Council)の発足を発表した。同協議会には、IBMの他、Broadcom、DNB Bankなどの組織が参加している。
IBMなどの委託により実施されたFuturum Groupの調査「2024 Global Mainframe Skills Report : Insights from Industry and Educational Experts」では、メインフレーム人材に対する継続的な需要があることを示している。さらに、メインフレームコミュニティーが協力してスキル構築に取り組む中で、人材育成が進んでいることが分かったという。
この調査で、キャリアの浅い人材の流入によるメインフレームスキルの世代間格差が浮き彫りになる一方で、経験豊富なメインフレーム人材の需要の高さが明らかになった。グローバル調査に回答したメインフレームの雇用主の79%が中途採用を、51%がエントリーレベルの人材を採用している。2023年には、32%がメインフレーム関連職で11〜20名を採用し、35%が20名以上を採用した。さらに、91%が、今後1〜2年の間に新たなメインフレーム職の人材を採用し、メインフレームITチームに投資する予定だと回答している。
調査結果では、メインフレームの求職者がキャリアの段階に関係なくスキルを学び、成長する機会が増えていることも強調されている。回答した大学の指導者の75%が、学生がメインフレームのスキルを学ぶためのコースカリキュラムを提供していると回答した。また、回答した学生の83%が、大学を通じてメインフレームのスキルを学んでいると回答している。
企業もまた、メインフレーム人材を見つけ、訓練し、育成するために、市場で利用可能なコミュニティーリソースを活用している。調査対象となったメインフレームの雇用主の60%は、メインフレームの雇用、採用戦略として、ブートキャンプや研修、実習プログラムにおいて業界ベンダーと協力するなど、従来とは異なるスキルのリソースを活用していると回答した。
一方で、プラットフォームにリソースを投資しているメインフレームの雇用主は、スペシャリストを見つけるのにそれほど苦労していないと回答しており、メインフレーム環境に1000万ドル以上を投資している企業の71%が、2023年のメインフレームシステム管理者職の採用目標を十分または完全に達成したと回答している。
IBMが発足したメインフレームスキル協議会は、メインフレームプラットフォーム向けのグローバル人材を育成するために、経験を共有し、ソリューションを共同で実装する組織だ。協議会には、キャリア認識、コンピテンシーフレームワーク、ラーニングパス、専門能力開発に焦点を当てたワーキンググループが含まれており、その目標として以下の5項目を挙げている。
IBMはメインフレームスキルトレーニングにアクセスするための包括的なプラットフォームである「IBM Z Mainframe Skills Depot」を新たに導入した。学習者は、システム管理者、アプリケーション開発者、モダナイゼーションアーキテクトなどの役割に合わせた専門コースから選択し、1000時間を超える自習型の無料体験学習にアクセスして、業界で認知されたデジタルバッジを取得できる。
IBM は、「IBM Z Global Skills Accelerator」およびアプレンティスシッププログラム(見習い制度)など、教室以外のスキルプログラムやリソースも提供している。これらのプログラムでは、300時間を超える学習、サクセスコーチング、オンザジョブトレーニング、メンターシップを実施し、83のグローバル雇用主が13カ国、440人以上のメインフレームシステム管理者とアプリケーション開発者のスキルアップに取り組んだ。IBM Z Student Ambassadorプログラムでは、世界中の95以上の大学のキャンパスでメインフレーム学生クラブを支援している。
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