1ミリ秒AI推論と耐量子暗号技術を備えるメインフレーム「IBM z16」発表量子コンピュータによる攻撃に対抗

IBMは、Telumプロセッサを採用した「IBM z16」を発表した。トランザクションの実行中にAI推論が可能なオンチップAIアクセラレーターや、大規模な量子コンピュータが実用化された将来の脅威からもデータを保護するという耐量子暗号技術を備える。

» 2022年04月07日 08時00分 公開
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 IBMは2022年4月5日(米国時間)、「IBM z16」を発表した。トランザクションの実行中にAI(人工知能)推論が可能なアクセラレーション機能を備える「IBM Telum」プロセッサを採用した。さらに、耐量子暗号技術を採用して、「大規模な量子コンピュータが実用化される将来も脅威からデータを保護できる」としている。

高速AI推論処理の有効性

 z16では、オンチップAIアクセラレーターによって、AI推論処理を1ミリ秒で実行できる。これは、1日当たり3000億回に相当する。こうした高速なAI処理は、運用データに基づく洞察によるビジネスローンや消費者ローンの審査の迅速化、小売業向けの詐欺や盗難に対するリスクのより適切なモデル化などを支援する。

 また、不正行為が収益や消費者とのやりとりに与える影響に苦しんでいる金融機関において、決済前に高いリスクにさらされる取引やトランザクションの特定にも有効だという。

 Morning Consultと実施した調査「2022 IBM Global Financial Fraud Impact Report」では、クレジットカード詐欺が最も一般的な詐欺のタイプだった。ところが従来のコンピュータでは、ディープラーニングモデルをリアルタイムで大規模に実行することは処理時間の関係で難しい。不正検出モデルが実行されているのは、大量のトランザクションの10%にも満たず、大半の不正は検出されていないという。

耐量子暗号技術によるデータの保護

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