「System Center 2025」2024年秋に一般提供開始、セキュリティなど追加機能は?VMMやDPMなど全プロダクトを2025バージョンとしてリリース

Microsoftは「System Center」ファミリーの最新バージョン「System Center 2025」のリリース内容と提供開始時期を発表した。Windows Server 2025の管理サポートなどの機能が追加される。

» 2024年05月27日 12時00分 公開
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 Microsoftは2024年5月13日(米国時間)、「Microsoft System Center」ファミリーの最新バージョン「System Center 2025」のリリース内容と提供開始時期を発表した。

 System Centerは、Microsoftが開発するITインフラ運用管理製品群。

 MicrosoftはSystem Centerの全プロダクト、すなわちVMM(Visual Machine Manager)、DPM(Data Protection Manager)、SCOM(System Center Operations Manager)、SM(Service Manager)およびSCO(System Center Orchestrator)の2025バージョンを2024年第4四半期までに一般提供する。このリリースには、インフラのモダナイズ支援、異種ITインフラの管理、セキュリティ確保といった機能の強化が含まれているという。

異種のインフラストラクチャとワークロード管理

 System Center 2025は、Windows Serverの最新版、「Windows Server 2025」を管理対象に加えている。

 また、異なる種類のインフラを単一の管理プレーンで扱いたいというユーザーの要望を踏まえ、VMMとSCOM 2025による「Azure Stack HCI バージョン 23H2」クラスタの管理と監視サポートが追加された。

 VMMを通じてVMware VM(仮想マシン)をWindows Serverに変換する際のユーザー体験も向上するという。最新バージョンのLinuxディストリビューションのサポートは、SCVMM 2025の一般提供開始とともに利用可能になる。DPM 2025は、Hyper-V環境のバックアップから特定のディスクを除外する機能を提供する。また、「SharePoint Server サブスクリプションエディション」と統合し、VMwareの仮想TPM(vTPM)をサポートする。

強化されたセキュリティを採用

 System Center 2025では、認証メカニズムとしてCredSSP(Credential Security Support Provider)およびNTLM(New Technology LAN Manager)を利用しなければならないケースが大幅に減少した。VMMを通じて作られる全てのVMは、Generation 2がデフォルトとなる。加えて、System Centerはransport Layer Security(TLS)バージョン1.3をサポートする。Microsoftは「暗号化技術の最新バージョンをサポートし、全てのデータ伝送が最新のセキュリティ標準によって保護されることを保証する」としている。

 DPM 2025はAzure Key Vaultにパスフレーズを安全に保存する機能を取り入れる。Azureを活用することで、データセキュリティの向上につながるという。また、「Microsoft OLE DB Driver for SQL Server 19」をサポートし、セキュリティ強化に取り組んでいる。

インフラのモダナイズをサポート

 Microsoftは2023年11月から「Azure Arc」対応SCVMMの一般提供を開始している。これにより、「Microsoft Defender for Cloud」「Azure Monitor」「Azure Update Manager」などのAzure管理サービスを使用し、SCVMM管理対象VMのセキュリティ保護、管理、監視、設定ができるようになった。また、Arc対応SCVMMのVMにホットパッチを適用するなど、Windows Server 2025が提供するArc対応機能がリリース初日から利用可能となる。

 サポートが終了したWindows Server 2012/R2 VMは、Arc対応SCVMM経由で取得した拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)のサポート状態を継続できる。

 Azure Arc対応SCVMMは、顧客のデータセンターでホストされているSCVMM管理VMの起動、停止、作成、スケール、サイズ変更、削除などのライフサイクル操作を実行する機能も提供する。これらの操作は全て、Azureのロールベースアクセスコントロール(RBAC)によって管理されるため、開発者はセルフサービス方式でVMの操作を実行できる。これは、サポート終了が近づいている「Windows Azure Pack」の代替となる。

 System Center 2025では、VMMおよびSystem Center Service Provider Foundation(SPF)のAzure Profiles機能がArc対応VMMに組み込まれているため、廃止となる。

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