Microsoftは、これまでプレビュー提供していたAzure Arcサービス群の一つ「Azure Arc-enabled System Center Virtual Machine Manager(Arc対応SCVMM)」が一般提供されたことを発表しました。
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マルチクラウドとオンプレミスで一貫した管理プラットフォームを提供する「Azure Arc」は、現在、Microsoft Azure以外でホストされる次の種類のリソースに対し、一元化された統一管理機能を提供します。このうち、Azure Arc対応の「System Center Virtual Machine Manager」(以下、Arc対応SCVMM)が2023年11月15日(米国時間)に一般提供となりました。
Arc対応SCVMMは、AzureのコントロールプレーンをオンプレミスのSCVMM管理環境に拡張し、Azureのセキュリティ、ガバナンス、管理機能を、SCVMMで管理されている資産に一貫して使用できるようにします。
SCVMMで管理されているオンプレミスのプライベートクラウドをAzureに接続すると、Azureポータルからオンプレミスの仮想マシンに対して、管理者、開発者、エンドユーザーは次のようなセルフサービス操作を実行できるようになります(画面1、画面2)。
また、「Windows Server 2012/2012 R2」のVMがAzure Arcに登録されることで、Azure Arcによる「拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)」の購入や管理も可能になります(画面3)。
Arc対応SCVMMは、SCVMM 2019およびSCVMM 2022とともに動作し、最大1万5000のVMを持つSCVMM管理サーバをサポートします。プレビュー期間中の2023年9月22日以前にオンボードしたArc対応SCVMMがある場合は、現在の接続をいったん削除し、再接続して新しいバージョンに切り替える必要があります。その他の前提条件や手順については、以下のドキュメントを参照してください。
Microsoftは2023年11月7日(米国時間)に「System Center 2022」製品群に最新の更新プログラム「Update Rollup 2」をリリースしました。SCVMM 2022 Update Rollup 2には、「Azure Arcブレード」が新たに追加されます。
この新しいブレードからは、Arc対応SCMMMのAzureへの接続(Arcリソースブリッジのデプロイ)を開始し、Azureポータルへのクイックアクセスを提供する他、Arc対応SCVMMの概要や前提条件、デプロイ手順、Arc-connected machineエージェントの大規模展開のガイダンスにアクセスすることができます(画面4)。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2009 to 2024(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。
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