IDCによると、2024年第2四半期における従来型PCの世界出荷台数は、前年同期比3.0%増の6490万台となった。
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調査会社のIDCは2024年7月9日(米国時間)、2024年第2四半期の従来型PCの市場動向を発表した。
2024年第2四半期の世界PC出荷台数は、前年同期比3.0%増の6490万台となった。世界PC出荷台数は7四半期連続の前年同期比マイナス成長を経て、2024年第1四半期、第2四半期とプラス成長を達成した。
2024年第2四半期の世界PC出荷は全体的に堅調だったが、中国の低調が足を引っ張った。中国を除く世界出荷台数は前年同期比で5%以上増加した。
IDCのWorldwide Device Trackers担当グループバイスプレジデントを務めるライアン・リース氏は、次のように解説している。「間違いなく、PC市場は他のIT市場と同様に、成熟と逆風により、短期的には課題に直面している。だが、2四半期連続のプラス成長は、AI(人工知能) PCを巡る市場の大きな盛り上がりや、より地味ではあるが、より重要といえる企業の買い替えサイクルとともに、PC市場が必要としていたものだろう。話題の中心は明らかにAIだが、非AI PCの購入でもさまざまなことが起こっており、それらのおかげでこの成熟市場にも明るい兆しが見えている」
PCメーカーの大半はこの数カ月間、主にコンポーネントと企業市場での可能性に焦点を当てたAI PCの初期戦略を打ち出している。IDCは、企業市場がPC業界において、AIを追い風に短期的に最も伸びると見ているが、消費者向けのAI PCのマーケティングストーリーは、まだ十分に語られていないと指摘している。
Appleが2024年後半にこうしたメッセージを展開し、新製品を投入するとの予想から、注目が集まっている。だが、Qualcomm、Intel、AMDも、消費者向けと企業向け両方のAI PCへの期待を高める施策を講じると考えられる。この動きも見過ごしてはならないと、IDCは述べている。
IDCのWorldwide Mobile Device Trackers担当リサーチマネジャーを務めるジテシュ・ウブラニ氏は、次のように指摘している。「企業の買い替えサイクル以外では、消費者向けブランドやチャネルによる販促活動がこのセグメントを後押ししてきた。また市場は、2023年の過剰在庫に伴う底値から脱却しており、より豊富な構成と割引の減少により、平均販売価格が上昇している」
企業 | 2024年第2四半期出荷台数 | 2024年第2四半期市場シェア | 2023年第2四半期出荷台数 | 2023年第2四半期市場シェア | 出荷成長率(2024年第2四半期/2023年第2四半期) |
---|---|---|---|---|---|
1. Lenovo | 14.7 | 22.7% | 14.2 | 22.5% | 3.7% |
2. HP Inc. | 13.7 | 21.1% | 13.4 | 21.3% | 1.8% |
3. Dell Technologies | 10.1 | 15.5% | 10.3 | 16.4% | -2.4% |
4. Apple | 5.7 | 8.8% | 4.7 | 7.5% | 20.8% |
5. Acer Group | 4.4 | 6.8% | 3.9 | 6.2% | 13.7% |
その他 | 16.3 | 25.1% | 16.5 | 26.1% | -1.1% |
合計 | 64.9 | 100.0% | 63.1 | 100.0% | 3.0% |
2024年第2四半期における従来型PCの世界市場上位5社の出荷台数、市場シェア、前年同期比成長率(速報値、出荷台数:100万台)(提供:IDC Worldwide Quarterly Personal Computing Device Tracker、2024年7月9日) |
注:従来型PCにはデスクトップPC、ノートPC、ワークステーションが含まれ、タブレットやx86サーバは含まれない。
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