Gartnerの最新の予測によると、2024年の世界IT支出は前年比で7.5%増加し、5兆2600億ドルに達する見通しだ。
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Gartnerは2024年7月16日(米国時間)、2024年の世界のIT支出に関する最新の予測を発表した。2024年の世界IT支出は前年比で7.5%増加し、5兆2600億ドルに達する見通しだ。
Gartnerは増加率については、2024年4月に発表した8.0%増との予測を下方修正したが、支出額については5兆600億ドルとしていた予測を引き上げた。
Gartnerのディスティングイッシュトバイスプレジデントアナリストを務めるジョンデビッド・ラブロック氏は、IT支出が増加する一因となっている生成AI(人工知能)について、次のように指摘している。
「生成AIの勢いは、全ての技術セグメントとサブセグメントで実感されているが、誰もが恩恵を受けるわけではない。一部のソフトウェア支出の増加は生成AIのおかげだが、ソフトウェア企業にとって生成AIは、税金にそっくりだ。生成AIのアドオンやトークンの販売で売上高が増えても、その一部はAIモデルの提供元であるパートナーに還流することになる」
Gartnerの最新の予測では、2024年にデータセンターシステム支出は24%増加する見通しだ。2024年4月には、10.0%増と予測されていた。この上振れは、生成AIに関する計画の増加によるところが大きい。
「データセンターでは、生成AIに起因するコンピュートパワーのニーズが増大している。データセンターシステムへの支出見通しは、この旺盛な需要を反映している」(ラブロック氏)
Gartnerは、2024年のITサービス支出を7.1%増と予測している。これは2024年4月時点の予測(9.7%増)を下回っている。コンサルティングやビジネスプロセスサービスなどのサブセグメントで支出が鈍化していたことが一因だ。
「年初から見られたCIO(最高情報責任者)の変革疲れがようやく和らぎ、2023年第3四半期までの契約残が解消されつつある。出だしの後れを取り戻すため、年末に向けてより大きな駆け込み需要が見込まれる」(ラブロック氏)
GartnerのIT支出予測は、IT製品およびサービス全般にわたるベンダー1000社以上を対象とした厳密な売上高分析に基づいている。一次調査手法を二次調査ソースで補完し、予測のベースとなる市場規模データの包括的なデータベースを構築している。
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