「大きな被害は出ていないが注意が必要な通信」を確認 ラックがセキュリティレポートを公開「ネットワーク内部の重要インシデントはマルウェアに起因するものが多い」

ラックは「LAC Security Insight 第9号 2024 夏」を公開した。2024年4〜6月のマルウェア関連被害の相談割合は、2023年同期より減ったものの、前四半期(1〜3月)からは増加した。サーバ不正侵入の被害は、前年同期と前四半期のどちらと比べても減少していた。

» 2024年08月21日 08時00分 公開
[@IT]

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 ラックは2024年8月20日、「LAC Security Insight 第9号 2024 夏」を公開した。同レポートは、JSOC(Japan Security Operation Center)など、同社のセキュリティ部門が業務(脅威の分析、調査、侵入テスト)の中で得た脅威に関する知見をまとめたもの。

 同レポートは、2024年4〜6月の期間に「サイバー119」で対応したインシデントの傾向や、JSOCで観測したサイバー攻撃の傾向を取り上げている。なおサイバー119とは、情報漏えい事故などが発生した際に顧客を支援するラックのサービス。

インターネット経由の攻撃によるインシデントが増加傾向

 サイバー119の出動傾向を見ると、マルウェア関連による被害の相談が37%、サーバへの不正侵入による被害の相談が31%だった。マルウェア関連被害の相談割合は、2023年同期(39%)より減ったものの、前四半期(1〜3月)からは増加した。サーバ不正侵入の被害は、2023年同期(40%)と前四半期(47%)のどちらと比べても減少していた。

 JSOCで観測したサイバー攻撃のうち、攻撃の成功を確認した(または被害が発生している恐れが高い)と判断されるセキュリティインシデントは、合計96件だった。内訳はインターネットからの攻撃によるインシデントが22件(約23%)、ネットワーク内部からの通信によるインシデントが74件(約77%)。前四半期と比べて、インターネットを経由した攻撃によるインシデントが増えていた。ネットワーク内部から発生した重要インシデントは、マルウェア感染に起因するものが多かったという。

 レポートでは「大きな被害には発展していないものの、検知件数が多く注意が必要な通信」として以下の4つを挙げている。

  • IPアドレス「146.70.45.215(米国)」からの攻撃通信
  • JetBrains製品の脆弱(ぜいじゃく)性「CVE-2024-27198」「CVE-2024-27199」を狙った攻撃
  • Check Point製品の脆弱性「CVE-2024-24919」を狙った攻撃
  • IPアドレス「45.148.10.174(ルーマニア)」からの攻撃通信

 LAC Security Insight 第9号 2024 夏は、ラックのWebサイトからダウンロード可能だ。

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