Clouderaは、レポート「エンタープライズAIと最新のデータアーキテクチャを巡る状況」を発表した。AIを導入しているITリーダーの割合は多いものの、それに関するデータインフラや従業員スキルの整備は進んでいないことが分かった。
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Clouderaは2024年8月23日、レポート「The State of Enterprise AI and Modern Data Architecture(エンタープライズAI<人工知能>と最新のデータアーキテクチャを巡る状況)」を発表した。
これは、米国、欧州、中東、アフリカ、アジア太平洋地域の、従業員数1000人以上の企業に勤務するITリーダーを対象に、エンタープライズAIを導入する際の課題や障壁についての調査した結果をまとめたもの。600人から有効回答を得た。
調査結果によると、ITリーダーの88%がAIをある程度の規模で導入しているものの、その多くがAIによる真のメリットの獲得に必要なデータインフラや従業員のスキルを整備できていないことが明らかになった。
AI導入の障壁として最も多く挙げられたのは「AIによるセキュリティやコンプライアンスに関わるリスクへの懸念」(74%)だった。次いで「AIツールを管理するための適切なトレーニングや人材の不足」(38%)、「AIツールが高額過ぎること」(26%)なども挙がった。これらのことからClouderaは「AIの導入が急速に進んでいるにもかかわらず、弾力性のあるAI戦略の柱となる重要な要素の多くが軽視されている」と分析している。
AIに関する取り組みにとって、データの信頼性が重要であることも明らかになった。調査結果によると「自社のデータを信頼している」と回答した人の割合は94%。一方、55%は「自社データの全てにはアクセスせず、基幹システムのデータにのみアクセスしている」と答えた。その理由を尋ねると「データセットに矛盾がある」(49%)、「複数のプラットフォームにあるデータを管理できない」(36%)、「データが多過ぎる」(35%)などが挙がった。
AIのユースケースでは「カスタマーエクスペリエンスの向上」(60%)、「運用効率の改善」(57%)、「アナリティクス活用の促進」(51%)が上位を占めた。カスタマーエクスペリエンス向上の用途は、セキュリティや詐欺の検知機能の強化、顧客サポートに関する作業の自動化、カスタマーサービスに関する予測機能の活用、チャットbotの強化など。運用効率の改善では、チャットbotなどのカスタマーサービスや、コールセンターデータの分析を通じてより対象を絞ったインセンティブを顧客に提供するといったマーケティング用途が挙がった。
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