増え続ける大規模データセンター容量、成長けん引要因は? Synergy Research調査オンプレミスは全体の20%まで減少すると予測

Synergy Research Groupは、データセンター容量のトレンドについて発表した。2029年まで、オンプレミスは全体の20%まで減少すると予測する一方で、総データセンター容量は急速に増加し続けるという。一体どういうことなのか。

» 2024年08月29日 08時00分 公開
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 市場調査会社のSynergy Research Groupは2024年8月7日(米国時間)、データセンター容量のトレンドを発表した。これによると、ハイパースケールクラウド事業者(以下、ハイパースケーラー)が運営する大規模データセンターの数は1000の大台を超えたという。これを容量で見ると、全世界のデータセンター容量の41%を占めていることが分かった。そのハイパースケール容量の半分以上が自社で建設、所有するデータセンターであり、残りはリースされた施設にある。

データセンター容量は確実に増加するとの予測、要因は?

 Synergy Researchは、2029年まで、総データセンター容量は急速に増加し続けるとしている。この主要因は、ハイパースケーラーの容量が今後6年間で約3倍に増加することだという。ハイパースケーラーは全体の60%以上を占めるようになる一方、オンプレミスは20%まで減少すると予測している。

 加えて、オンプレミスからコロケーション施設へのシフトが進んでいる。6年前はデータセンター容量の約60%がオンプレミスだったが、現在ではオンプレミスのデータセンター容量は37%にとどまっている。一方、非ハイパースケールデータセンターにおけるコロケーションの容量が、全容量の22%を占めるようになっている。

 総容量に占めるコロケーションの割合は徐々に低下するものの、容量は着実に増加し続ける見込みだ。一方、オンプレミスデータセンターの割合は年間約3ポイントずつ減少するが、容量は比較的安定した状態を保つと予測している。

(提供:Synergy Research Group)

 Synergy Research Groupのチーフアナリストであるジョン・ディンズデール氏は、以下のように述べる。「データセンター容量の構成は地域によってかなり異なっている。例えばハイパースケーラーの自社所有データセンター容量は、ヨーロッパやアジア太平洋地域(APAC)地域よりも米国のほうがはるかに大きい。しかし、全ての地域で同一の傾向が見られる。背後の要因を理解するのは容易だ」

 「2012年、企業はデータセンターのハードウェアとソフトウェアに、クラウドインフラサービスに費やす金額の12倍を支出していた。現在ではクラウドサービスにかける費用は、自社のデータセンターインフラにかける費用の3倍に達している。また、SaaSや、ソーシャルネットワーキング、eコマース、オンラインゲームなどの消費者向けデジタルサービスの巨大な成長が加わり、ハイパースケーラーのデータセンターも急拡大している。さらに、企業は増え続けるデータセンター機器のコロケーション施設への移行を進めている。オンプレミスのデータセンター容量の必要性がさらに低下している。生成AI技術とサービスの台頭により、今後数年間でこうした傾向がさらに加速するだろう。ハイパースケーラーは、AIオペレーションを実行する上で、ほとんどの企業よりも有利な立場にある」(ディンズデール氏)

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