富士キメラ総研は、データセンター向け機器/設備の世界市場に関する調査の結果を発表した。2024年の市場規模は、対前年比50.7%増の53兆4705億円の見込み。2030年には83兆円を超えると予測する。
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富士キメラ総研は2024年7月29日、データセンター向け機器/設備の世界市場に関する調査結果を発表した。これは、サーバ、スイッチなどのIT機器や電源系冷却系機器/設備、それらを構成するデバイスや材料などの市場について調査した結果をまとめたもの。それによると、GPU(Graphics Processing Unit)やアクセラレーターを実装したサーバ「AIサーバ」の需要が拡大しており、データセンター関連の市場も拡大傾向にある。
データセンター関連の市場では、特にAI向け機器/設備などの需要が急伸している。これはAIサーバの発熱に対応するため、放熱性の高い基板や高性能な冷却設備に注目が集まっているからだ。富士キメラ総研は2024年のデータセンター向け機器/設備の市場規模を、対2023年比で50.7%増の53兆4705億円と見込んでいる。
「現在、AI向けの機器は高騰しているものの、技術的な対応が進むことやハードウェアの供給が安定することが見込まれるため、長期的には価格が低下するだろう。だが、AIの需要は増加し続けるため、引き続き市場は拡大し、2030年には市場規模が83兆円を超える見込みだ」(富士キメラ総研)
データセンター向けのGPUと、FPGA(Field Programmable Gate Array)を用いたアクセラレーターは2023年の生成AIブーム以降、需要が急増。2024年に入っても需要は増えており、市場規模は対2023年比で2.3倍の15兆700億円になる見通しだ。サーバやグラフィックスボード向けのDRAM(Dynamic RAM)は、高速伝送が可能なHBM(High Bandwidth Memory)の需要が増えているという。富士キメラ総研は、HBMの量産が今後進むとみており、2024年の市場規模は対2023年比で46%増の4兆4137億円、2030年には2023年比で8.5倍の25兆5915億円になると予測している。
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