Synergy Research Groupは2024年第2四半期における世界のクラウドインフラサービス市場の地域別調査結果を公開した。世界におけるシェア率では上位3社が3分の2を占め、他の企業はシェア率4%を超えることはなかったという。
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市場調査会社のSynergy Research Groupは2024年8月21日(米国時間)、2024年第2四半期における世界のクラウドインフラサービス市場の地域別調査結果を公開した。ここでいう「クラウドインフラサービス」には、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、ホステッドプライベートクラウドが含まれている。
調査データによると、クラウドプロバイダーの世界での収益は第2四半期で790億ドル、過去12カ月間では2970億ドルに達し、IaaSおよびPaaSが引き続き市場の大部分を占めているという。
Synergy Research Groupは世界、および地域別の調査結果について、以下のように説明している。
Amazon、Microsoft、Googleの世界市場シェア率はそれぞれ32%、23%、12%であり、他の企業はシェア率4%を超えることはなかった。4〜6位はAlibaba、Oracle、Salesforceで占められている。
中国を除けば、クラウドプロバイダーの上位3社のランキングは、米国、APAC(アジア太平洋地域)、ヨーロッパ、その他地域で同じ結果になった。上位3社以外では、地域によってランキングが少しずつ異なり、主にOracle、Salesforce、IBMが争っている。中国を除くAPACでは、NTTと富士通がランクインしている。
中国は他と異なる状況にある。地政学的および歴史的要因によって、西洋のクラウドプロバイダーは中国市場での競争が厳しく制限されている。中国のクラウドインフラサービス市場は複数の現地企業をサポートできるほど大きくなっている。現在、中国市場をリードしているのは、Alibaba、Tencent、中国電信(China Telecom)、Huaweiで、上位10社は全て中国企業だ。
地理的に見ると、米国は依然として圧倒的に最大のクラウドインフラサービス市場であり、APAC全体よりもはるかに規模が大きい。米国に大きく差をつけられて中国が続くが、それでも中国市場は、日本、英国、ドイツ、インドをはじめとする他の国々をはるかに上回っている。米国、APAC、ヨーロッパを合わせると、世界市場全体の90%以上を占める。
Synergy Research Group チーフアナリストのジョン・ディンスデール氏は次のように述べている。
「これは極めて単純な“規模のゲーム”だ。Amazon、Microsoft、Googleは、現在、560を超えるハイパースケールなデータセンターのグローバルネットワークを運用している。第2四半期だけで、これらの企業は480億ドルを超える設備投資を行っており、設備投資のほとんどはデータセンターと関連ネットワークの構築、増強、更新に費やされた。一方で、地元企業が自国市場で競争するチャンスはまだたくさんある。クラウドインフラサービスは急成長を続ける巨大な市場であり、全ての地域や主要国に中小規模のプレイヤーが多数存在する。中小プレイヤーにとって重要なのは、業界の大手企業に対して継続的な競争上の優位性を発揮できる特定のサービスを提供し、業界または顧客に注意深く焦点を当てることだ」
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