GitHubを使用する開発者動向をまとめた年次レポート「The State of the Octoverse 2024」が公開された。2024年に最も使用されたプログラミング言語は、10年間トップだったJavaScriptを抜いたことが明らかになった。
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GitHubは2024年10月29日(米国時間)、同社のソフトウェア開発プラットフォーム「GitHub」を使用する開発者動向をまとめた年次レポート「The State of the Octoverse 2024」を公開した。2023年10月1日から2024年9月30日までの間に取得されたユーザーおよびプロダクトデータに基づいている。
GitHubは、5億1800万以上のプロジェクトのアクティビティーや、52億のコントリビューションに基づき、次のように分析している。
PythonがGitHub上で最も使用される言語となり、10年間にわたって最も使用されてきたJavaScriptを超えた。「2019年以来の大きな変化だ。この背景にあるのは、過去2年間の生成AI(人工知能)ブームだ」と、GitHubは述べている。
Python Software Foundationのエグゼクティブディレクターであるデブ・ニコルソン氏は「私たちの目標は、成長し続ける開発者コミュニティーが彼らの理想とする世界を構築するための素晴らしいツールとして、Pythonを提供することだ。特に『Jupyter Notebooks』、データ分析、AI、オープンソース技術の利用が増加する中で、Pythonの人気がGitHub上で継続的に上昇していることを知り、非常にうれしく思う」と述べている。
主要言語やその他の動向は以下の通り。
JavaScriptは依然として大規模な開発者ベースを維持しており、npmパッケージの消費量も増加している。JavaScriptはクライアントサイドとサーバサイドの両方で動作する柔軟性があり、さまざまなフレームワークや標準にも簡単に適応することができることなどが、その人気の理由だ。堅牢(けんろう)なエコシステムが成熟し続ける中で、npmレジストリを通じたパッケージの消費が前年比15%増と、力強い伸びを見せている。
コードのプッシュ数としては、JavaScirptが1位を維持しているが、GitHub上の全てのコントリビューションを含めた活動数では、PythonがJavaScriptを上回った。
2014年から2019年にかけて指数関数的な成長を遂げたTypeScriptは、2023年にはJavaを抜いてトップ3にランクインした。その継続的な成長は、言語、型チェッカー、コンパイラの全てが一体となった有用性を示している。
Pythonのコントリビューター数は、コードプッシュのアクティビティーとその他のアクティビティーの両方でJavaScriptよりも増加しているが、JavaScriptとTypeScriptを合わせた増加率には及ばない。JavaScriptコミュニティーが衰退しているのではなく、新しいコミットの大部分がTypeScriptに移行していることを示唆するものだ。
TypeScriptはJavaScriptのスーパーセットであり、JavaScriptと同じnpmエコシステム内にあるため、JavaScript開発者にとっても徐々に導入しやすくなっている。
Rustは、安全性、パフォーマンス、生産性で人気を集め続けている。もともとCやC++に代わる、より安全な言語として開発されたRustは、急速に人気と採用が拡大しており、Windowsといった主要OSでも、Rustを使用してメモリ安全なコードでコアライブラリを書き換えつつある。
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