Python Software Foundationは、Python開発者を対象とした調査レポート「Python Developers Survey 2023」を発表した。本記事では主な調査結果を取り上げる。
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プログラミング言語「Python」の開発、普及、発展に取り組む非営利団体のPython Software Foundation(PSF)は2024年8月29日(米国時間)、Python開発者を対象とした調査レポート「Python Developers Survey 2023」を発表した。PSFはJetBrainsと共同で毎年この調査を実施しており、普段のPythonの使用方法や使用目的、フレームワークなどについて200の国と地域のPython開発者2万5000人以上が回答した。
主な調査結果は次の通り。
Pythonを主な言語として使用する回答者の割合は85%だった。Pythonの他に使用する言語を尋ねた設問では、「JavaScript」が35%、「HTML/CSS」が32%、「SQL」が31%、「Bash/Shell」が29%、「C/C++」が25%だった。JetBrainsでWebおよびデータアドボカシーチームリーダーを務めるポール・エヴェリット氏は「HTML、CSS、JavaScriptの減少は、データサイエンスにおけるPythonのシェア増加を示している可能性がある」と述べている。
Pythonの使用方法(複数回答可)を尋ねたところ、データ分析(44%)、Web開発(42%)、機械学習(34%)、データエンジニアリング(27%)の順で使用している開発者が多かった。一番よく使うPythonの用途は、Web開発(21%)で、機械学習(10%)、データ分析(10%)がこれに続いた。
使用しているフレームワークとライブラリは、「Flask」と「Django」が最多で、33%の開発者が使用していた。「Requests」(30%)、「FastAPI」(29%)、「Asyncio」(20%)がそれに続いた。Webフレームワークは、データサイエンティストの77%、Web開発者の97%が使用していた。
JetBrainsでコンピュテーショナルアーツイニシアチブの開発リーダーを務めるウラジミール・ソトニコフ氏は「機械学習の開発者は、本格的なWebアプリ開発によく使われるDjangoフレームワークをあまり使用していない。しかし、RESTfulなAPIの構築に適したFlaskやFastAPIの利用は、Web開発者と同程度に高くなっている。これは、機械学習の専門家がWebの開発に積極的に関与していることを示している。ただし、その関与は従来のWebサイト作成よりも、APIを中心としたサービス開発の形が多いことが分かる」と述べている。
データの探索と処理のために使用するツールを尋ねた設問では、「pandas」が最多の77%で、「Numpy」(72%)、「Apache Spark」(16%)、「Airflow」(14%)と続いた。
JetBrainsでデータサイエンス推進担当開発者アドボケートを務めるジョディ・バーチェル氏は「pandasは依然としてデータ探索と処理タスクの中心的な存在だ。少数ではあるが、Spark、『Dask』『Ray』などの分散データ処理ライブラリも使用されており、ビッグデータを扱っていることが分かる。『Polars』は、ローカルマシンを離れることなく大規模なデータセットを処理する方法として、高い人気が続いている」と述べている。
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