OpenAIは2024年2月に発表した動画生成AIモデル「Sora」の新バージョンとなる「Sora Turbo」を、「ChatGPT Plus」および「ChatGPT Pro」の契約者向けに提供開始した。
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OpenAIは2024年12月9日(米国時間)、動画生成AI(人工知能)モデル「Sora」の新バージョンとなる「Sora Turbo」をスタンドアロン製品として提供開始した。
Soraは、テキストプロンプト(指示)からリアルな動画を生成する動画生成AIだ。OpenAIは2024年2月、研究プレビュー段階にあったSoraを発表した(関連記事)。Soraを大幅に高速化した新バージョンとなるのが「Sora Turbo」だ。OpenAIは、ChatGPTの有料プラン「ChatGPT Plus」「ChatGPT Pro」の契約者向けにSora Turboをリリースした。
ChatGPT Plusの料金は月額20ドル、ChatGPT Proは月額200ドルで、Sora Turboに関してはそれぞれ以下のように利用できる。
Sora Turboはsora.comで提供されており、以下の機能が利用できる。
OpenAIによると、現在提供されているSora Turboには多くの制限がある。物理的に非現実的な動画を生成したり、長時間の複雑な処理に問題が生じたりすることがよくある。OpenAIはこれらの問題を改善し、Soraを手ごろな料金で利用できるようにすることに取り組んでいるという。
OpenAIは、現時点でSora Turboの提供を開始した理由について「動画生成技術が発展する中、社会がこの技術の可能性を探り、責任を持って使用されるように、基準や安全対策を共同で策定するための時間を提供することが目的だ」と述べている。
こうした目的に沿って、Sora Turboで生成される全ての動画には「C2PA」(Coalition for Content Provenance and Authenticity)のメタデータが付加される。このメタデータは、動画がSoraから生成されたものであることを示し、透明性を提供する。また、透かしをデフォルト(既定)で表示するなどの安全対策も追加されている。
さらにOpenAIは、児童ポルノや性的ディープフェイクなど、特に悪質な不正使用をブロックしている。サービス開始当初は人物のアップロードも制限する。ただし、人物のアップロードについては、ディープフェイク対策の強化に合わせて、より多くのユーザーがアップロードできるようにするとしている。
OpenAIは、安全対策や監視に関する詳細や、レッドチーム(偽情報、違法コンテンツ、安全性などの分野の専門家チーム)の取り組みについての解説などを盛り込んだ「Sora System Card」も公開している。
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