iPhone 16 Proシリーズの音質は「プロ品質」って本当? 録音エンジニアとして気になって仕方がないので検証してみたものになるモノ、ならないモノ(98)

スマートフォンなど一般向けのデジタル機器のプロモーションに接していると「プロ品質」「プロレベル」という言葉を目にすることがある。音楽業界の末席で、ピアノやバイオリンといったアコースティック楽器の録音を生業としているだけに、気になって仕方がないので、検証してみた。

» 2025年01月24日 05時00分 公開
[山崎潤一郎@IT]

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 スマートフォンなど一般向けのデジタル機器のプロモーションに接していると「プロ品質」という言葉を目にすることがある。Appleもご多分に漏れずiPhoneのカメラやマイクの機能を紹介する際「プロ品質」「プロレベル」と謳(うた)うことが多いと感じる。

 実際、Appleが2024年9月に開催したiPhone発表イベントにおいても、iPhone 16 Proシリーズの録音音質について、「スタジオ品質のマイクを4つ搭載」「格段に低いノイズフロア(※機器ノイズや環境音など)」「ボーカルやアコースティック楽器の録音に最適」とプレゼンしている。

iPhone 16 Proシリーズのマイクの性能をスタジオ品質と紹介していた(Appleの発表イベントより) iPhone 16 Proシリーズのマイクの性能をスタジオ品質と紹介していた(Appleの発表イベントより)

 筆者は音楽業界の末席で、ピアノやバイオリンといったアコースティック楽器の録音を生業(なりわい)としているだけに、上記のような文言が気になって仕方がない。それがマーケティング手法の一環と理解していても、だ。

 そこで、生歌やアコースティック楽器を、「iPhone 16 Pro Max」と、プロが現場で使用するマイクで同時に録音し、双方の音質比較をしてみることにした。

100万円のマイクと比較してみた

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