Dockerは、さまざまなOS上にDocker開発環境を構築できる「Docker Desktop」の最新版「Docker Desktop 4.38」を公開した。AIエージェントのβ版や、ビルドプロセスを簡素化する「Docker Bake」の一般提供を開始した。
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Dockerは2025年2月5日(米国時間)、さまざまなOS上にDocker開発環境を構築できる「Docker Desktop」の最新版「Docker Desktop 4.38」の一般提供を開始した。
Docker Desktop 4.38のハイライトは次の通り。
コンテナ管理やDocker特有のトラブルシューティングを支援するAIエージェント「Docker AI Agent」(別名:Gordon)のβ版が追加された。
Docker AI Agentは、Dockerスイートにシームレスに統合されており、コンテナ管理やDockerのコンテキストを踏まえ、ユーザーに解決策やアドバイスを提供する。Docker DesktopおよびCLIを通じてDocker AI Agentを利用可能であり、画面を切り替えることなく開発者は問題に対処できるという。
「Dockerを初めて利用するケース、既存のDockerfileやComposeファイルを最適化したいケース、Docker全般を理解したいケースなど、幅広いシナリオで役立つ。開発者が課題に直面したその場で解決を支援することで、スムーズで生産的なワークフローを実現する」と、Dockerは述べている。
Docker AI Agentのβ版は全てのユーザーが利用できるが、デフォルトでは無効化されている。利用を開始するには、ユーザーが手動で有効化する必要があるという。
複雑なDockerのビルドプロセスを簡素化し効率化する「Docker Bake」の一般提供を開始した。
Dockerfileはビルド手順を定義するのに優れる一方、docker buildコマンドにさまざまなオプションや引数を指定するなど、コマンドを状況に応じて使い分ける必要がある。このため、手間がかかる上にミスを招きやすいプロセスとなっている。
Docker Bakeは、全てのオプションやイメージの依存関係(ターゲット)を1つに統合する宣言型のファイルフォーマットを導入する。これにより、ビルドコマンドごとにフラグを指定することなく、高速で効率的なビルドを実現できるという。
Dockerは、Docker Bakeのメリットを次のように挙げている。
「開発者は、ComposeファイルにBakeを直接統合することで、マルチサービスビルドを簡素化できる。またBakeはComposeファイルをネイティブにサポートしている。そのため、単一のリポジトリ内で複数のDockerイメージを共通の設定で効率的にビルドできる」と、Dockerは述べている。
開発者のローカル環境でマルチノードKubernetesクラスタを実行できる機能が追加された。これにより、分散システム特有の問題などに対応するためのより広範なテストをローカルで実行できるようになるという。
「オープンソースプロジェクトの『kind(kubernetes in Docker)』を採用した。ノードアフィニティ、フェイルオーバー、ネットワーク設定など、重要な機能を、本番に近い環境を再現してテストできる。異なるKubernetesバージョン間でのテストもできる」と、Dockerは述べている。
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