世界の製造業の93%が「AIは競争優位に必須」 KPMGコンサルティング調査

67%がエージェント型AIを利用。

» 2025年09月19日 11時30分 公開
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 KPMGコンサルティングは2025年9月12日、製造業におけるAI(人工知能)活用の実態と課題を分析したレポート「Intelligent manufacturing −AIを活用したものづくりプロセスの高度化」(日本語版)を発表した。本レポートは、KPMGインターナショナルが世界の主要市場において実施した調査を基に作成されており、対象となった管理職1390人の中にはシニアAIリーダー163人が含まれている。

 調査結果によると、93%の回答者が「AIは競争優位の必須条件」と認識し、20%がAIを全社的な中核要素として位置付けている。26%が「AIを組織文化や業務に取り入れている」と回答した。

 導入技術としては、74%の組織が機械学習を、72%が予測分析を利用し、67%がAIをRPA(Robotic Process Automation)と統合している。67%がエージェント型AIを利用しており、20%がその用途のさらなる拡大を計画している。

 AI投資も加速しており、36%がIT予算の10%超をAIに割り当て、77%が今後1年以内に投資を増加させる計画を示した。効果については、96%が業務改善を実感し、62%が10%超の投資利益率(ROI)を達成したと回答している。

 一方で、56%の組織がデータ関連の課題、40%が人材面での課題に直面しており、80%が従業員向けのAIスキル研修に投資している。AIのリスク管理については、65%の組織が体系的な体制を整備し、データプライバシー(57%)、規制コンプライアンス(44%)を重視している。78%がサステナビリティ目標の達成をAIよりも重要と捉え、85%がAIのエネルギー需要増加に対応する戦略を策定している。

 レポートは、製造業がAIから最大限の価値を得るために必要な4つの視点も提示している。コアコンピテンシーに整合して価値を生み出すAI戦略の策定、信頼を盛り込んだロードマップの構築、持続可能な技術・データ基盤の整備、人とAIの協働を促す文化醸成だ。

 KPMGコンサルティングはレポート内で「主要な製造業がAIを実験のみに使用しているのではなく、中核的なオペレーション全体に組み込んで生産性を高め、新たな収益の流れを生みだしている。AIは予測精度を向上させ、保守計画を最適化し、廃棄物を削減するなど、製品開発におけるイノベーションの原動力となる」としつつ、「一方で、多くの組織でレガシーインフラストラクチャやサイロ化されたデータ、スキル不足といった阻害要因も残っており、今後はアジリティの高い部門横断的チームを編成し、変革を推進するための適切なパートナーシップと人材に投資する必要がある」と提言している。

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