Oracle、「Oracle AI Database 26ai」発表 無料で利用できる「Oracle AI Database Free」を提供開始AIを中核に据え「Oracle Database」から改称

Oracleは、AI機能を中核に据えたデータベースの最新バージョンとなる「Oracle AI Database 26ai」を発表した。

» 2025年10月16日 10時55分 公開
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 Oracleは2025年10月14日(米国時間)、AI(人工知能)機能を中核に据えたデータベースの最新バージョンとなる「Oracle AI Database 26ai」を発表した。2024年に発表した「Oracle Database 23ai」の後継となるLTS(長期サポート)リリースだ。

 Oracleは、Oracle AI Database 26aiについて「AIをデータおよび開発スタック全体で活用できる次世代AIネイティブデータベース」と位置付けており、製品名である「Oracle Database」を「Oracle AI Database」に改称した。また自律型データベース「Oracle Autonomous Database」も同様に、「Oracle Autonomous AI Database」に改称している。

 Oracle Database 23aiのユーザーは、2025年10月中に提供予定のアップデートを適用することで、26aiで新たに追加される機能を追加費用なしで利用できるという。

 Oracle AI Database 26aiは、下記のプラットフォームで利用可能だ。

  • クラウドプラットフォーム
    • 「Oracle Autonomous Database」
    • 「Oracle Exadata Database Service」
    • 「Oracle Base Database Service」
    • 「Oracle Database@Azure」
    • 「Oracle Database@Google Cloud」
    • 「Oracle Database@AWS」
    • 「Oracle Cloud Infrastructure(OCI) Compute VM」にインストールされたOracle Database
  • オンプレミスプラットフォーム
    • 「Exadata Cloud@Customer」
    • 「Compute Cloud@Customer」
    • 「Oracle Exadata Database Machine」
    • 「Oracle Database Appliance」
    • 「Oracle Private Cloud Appliance」

 Oracleは開発・テスト向けにOracle AI Database 26aiを無料で利用できる「Oracle AI Database Free」の提供も開始した。

 Oracle AI Database 26aiの主な特徴は次の通り。

Oracle AI Database 26aiの主な特徴

「統合ハイブリッドベクトル検索」に対応

 AIベクトル検索と、リレーショナル、テキスト、JSONデータ、グラフデータ、空間検索を組み合わせ、1つのクエリで画像、動画、音声、構造化データを横断的に検索できるようになった。LLM(大規模言語モデル)やMCP(Model Context Protocol)サーバと組み合わせることで、高品質な回答を生成するエージェント型ワークフローを実現できるという。

MCPサーバのサポート

 MCPのサポートにより、AIエージェントがさまざまな観点からデータベースを検索したり、追加データを取り寄せたりできる。

データベース内でAIエージェント実行、管理を完結

 データベース内でAIエージェントを定義、実行、管理できる「Select AI Agent」が、Oracle Autonomous AI Databaseで利用可能になった。データを外部に移行させることなく、AIワークフローを実現できるという。

データプライバシーを保護

 データベース内で高度なセキュリティ、プライバシー、コンプライアンスのルールを適用する。エンドユーザーごとに行、列、セルレベルでデータ可視性を制御したり、権限のないデータに対して動的にマスキングを追加したりする。これらにより、機密データを公開せず、SQLやAPIを使用してAIがデータベースに直接アクセスできるようにする。

耐量子アルゴリズム(ML-KEM)をサポート

 転送中のデータを暗号化するため、NIST(米国国立標準技術研究所)が承認した耐量子暗号化アルゴリズム(ML-KEM)を実装した。保存データに対する既存の耐量子暗号化と組み合わせることで、組織のデータを盗み、将来的に量子コンピュータを使って解読することを防ぐよう設計しているという。

「Private AI Service Container」

 埋め込みモデル、オープンウェイトLLMなどのAIモデルをプライベートインスタンスで実行するための、あらかじめ構築・テスト済みのコンテナ環境を提供する。

データレイク連携を実現する「Oracle Autonomous AI Lakehouse」を提供開始

 Oracleは同日、Oracle Autonomous AI Databaseを中核とするデータプラットフォーム「Oracle Autonomous AI Lakehouse」の提供を開始した。

 データレイクハウスやデータレイクなどのモダンアーキテクチャの実装に広く使われている、オープンソースのデータテーブルフォーマット「Apache Iceberg」をネイティブでサポートし、異なるクラウドやプラットフォームに散在するデータを統合。一元的なデータ分析を支援するという。

 Oracle Autonomous AI Lakehouseは、OCI、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudで利用可能であり、DatabricksやSnowflakeとの連携にも対応する。

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