LPI-Japanは、Linux技術者認定「LinuC」レベル3を刷新し、「プラットフォームスペシャリスト」「セキュリティスペシャリスト」の2認定を新設した。柔軟性や可用性を両立させたプラットフォーム構築・運用や、高度なセキュリティスキルを証明する体系に移行する。
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特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)は2025年11月4日、Linux技術者認定試験「LinuC」において、エンタープライズレベルのシステムを構築するための専門技術力を証明する新認定「LinuCレベル3 プラットフォームスペシャリスト」(LinuC-3 PS)および「LinuCレベル3 セキュリティスペシャリスト」(LinuC-3 SS)を、2025年12月1日に提供開始すると発表した。
最上位認定の「LinuCシステムアーキテクト」は「LinuCレベル4 システムアーキテクト」(LinuC-4 SA)に改称。Linuxの基礎(レベル1)からシステム全体の設計(レベル4)まで、Linux技術者が段階的にキャリアを形成できる新たな認定体系に移行するという。
新認定は、IPA(情報処理推進機構)が策定する「ITスキル標準」(ITSS)のレベル3(※要求された作業を全て独力で遂行できるプロフェッショナルとしての応用的知識・技能を有するレベル)に相当し、それぞれ以下の高度な専門能力を証明するという。
LinuCレベル3 プラットフォームスペシャリストは、仮想化やコンテナ、自動化技術を活用し、柔軟性や可用性を両立させたプラットフォームをLinuxやOSS(オープンソースソフトウェア)で構築、運用する能力を証明する。試験では以下に関する内容が問われる。
LinuCレベル3 セキュリティスペシャリストは、最小権限の原則に基づきLinuxシステムの各レイヤーを堅牢(けんろう)化し、セキュリティインシデントの検知・予防ができる高度な能力を証明する。試験では以下に関する内容が問われる。
2025年12月1日より新認定の試験を受験できる。受験費用は1試験当たり2万7500円(税込)。認定体系の刷新に伴い、現行のLinuCレベル3(「300試験」「303試験」「304試験」)は2026年11月30日をもって配信を終了する。
LPI-Japanは今後、年間5000人のLinuCレベル3認定者を輩出することを目指し、学習環境の整備や、オープンなコミュニティーイベントなどを通じて上級技術者の価値を顕在化する取り組みを強化するとしている。
試験内容を踏まえると、コンテナ基盤や構成管理自動化など、いわゆるクラウドネイティブ技術やDevOpsの実践的なスキルが問われている。オンプレミスやクラウドを問わず、こうした運用の在り方が一般化しつつある現状を反映したものといえるだろう。システムが複雑化、分散化する中で、コンテナセキュリティや不正侵入検知など、ファイアウォール設定にとどまらない、より高度で専門的なセキュリティスキルはますます重要になっている。
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