【 Remove-VMNetworkAdapterExtendedAcl 】コマンドレット――Hyper-V仮想マシンの仮想ネットワークアダプターの拡張ACLを削除するWindows PowerShell基本Tips(150)

本連載は、PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は「Remove-VMNetworkAdapterExtendedAcl」コマンドレットを解説します。

» 2026年01月08日 05時00分 公開
[後藤諭史株式会社ネットワールド]

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「Windows PowerShell基本Tips」のインデックス

連載目次

 本連載では、Windows PowerShellの基本的なコマンドレットについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、「Hyper-V」の仮想マシンに接続された仮想ネットワークアダプターの「拡張アクセス制御リスト」(Extended Access Control List:拡張ACL)を削除する「Remove-VMNetworkAdapterExtendedAcl」コマンドレットです。

Remove-VMNetworkAdapterExtendedAclコマンドレットとは?

 Hyper-Vの仮想スイッチの機能としてのアクセス制御は、「標準ACL」と「拡張ACL」の2種類があることはこれまでも繰り返し説明してきました。今回解説する「Remove-VMNetworkAdapterExtendedAcl」コマンドレットは仮想マシンのネットワークアダプターに設定された拡張ACLを削除するコマンドレットです。

 単純に設定された拡張ACLを全て削除するわけではなく、条件に該当した拡張ACLのみを削除できます。

 拡張ACLは適用順序が決められているので、適用順序を意識しながら削除しないと、意図しない通信停止を引き起こす可能性があります。本コマンドレットによる削除作業の際は慎重に行ってください。

【注】Remove-VMNetworkAdapterExtendedAclは「Windows PowerShell用Hyper-Vモジュール」に含まれるコマンドレットになります。GUI(グラフィカルユーザーインタフェース)の「Windowsの機能の有効化」や「役割と機能の追加」からHyper-Vを有効化するか、PowerShellから「Enable-WindowsOptionalFeature」コマンドレットを使用して有効化します。


Remove-VMNetworkAdapterExtendedAclコマンドレットの書式

Remove-VMNetworkAdapterExtendedAcl [オプション]


Remove-VMNetworkAdapterExtendedAclコマンドレットの主なオプション

オプション 意味
-VMName 仮想マシン名を指定する
-VMNetworkAdapter リソースオブジェクトとして仮想ネットワークアダプターを指定する。省略可能
-VMNetworkAdapterName 仮想ネットワークアダプター名を指定する。省略可能
-ManagementOS ホストOS用の仮想ネットワークアダプターの拡張ACLを削除したい場合に指定する。省略可能
-Weight 拡張ACLの重みを指定する
-Direction 拡張ACLの方向(Inbound/Outbound)を指定する
-ComputerName リモートのHyper-Vホストの仮想ネットワークアダプターの拡張ACLを削除する場合にコンピュータ名を指定する。省略可能

仮想マシンの仮想ネットワークアダプターの拡張ACL設定を削除する

 Remove-VMNetworkAdapterExtendedAclコマンドレットの必須オプションは、「-VMName」オプションと「-Weight」オプション、それに「-Direction」オプションになります。これらを指定することで、指定した値に一致する拡張ACLが削除されます(画面1)。なお、Remove-VMNetworkAdapterExtendedAclコマンドレットは管理者権限での実行が必要となります。

コマンドレット実行例

Remove-VMNetworkAdapterExtendedAcl -VMName Test-VM01 -Direction Outbound -Weight 20

ALT 画面1 各オプションで指定した値と一致する仮想ネットワークアダプターの拡張ACLを削除した

 画面1の実行例では、重み(Weight)「20」の拡張ACLは「Outbound」と「Inbound」それぞれに存在していますが、「-Direction」オプションで「Outbound」を指定しているため、「Outbound」方向の拡張ACLのみが削除されました。

 従って、「Inbound」方向の拡張ACLを削除したい場合は、あらためて「-Direction」オプションで「Inbound」を指定してRemove-VMNetworkAdapterExtendedAclコマンドレットを実行する必要があります。

 同時に削除したい場合は、本連載147回の「Get-VMNetworkAdapterExtendedAcl」コマンドレットを併用します。

 Get-VMNetworkAdapterExtendedAclコマンドレットで拡張ACLを取得する際は、「Where-Object」コマンドレットで重み「20」に一致するという条件で絞り込みます。そこからさらにパイプ(|)でRemove-VMNetworkAdapterExtendedAclコマンドレットにつなぐことで、方向に関係なく、指定した重みの拡張ACLを削除できます(画面2)。

コマンドレット実行例

Get-VMNetworkAdapterExtendedAcl -VMName Test-VM01 | Where-Object {$_.Weight -eq "20"} | Remove-VMNetworkAdapterExtendedAcl

ALT 画面2 Get-VMNetworkAdapterExtendedAclコマンドレットとWhere-Objectコマンドレットを併用することで、方向に関係なく、重みが一致した拡張ACLを削除できる

 Where-Objectコマンドレットを使用せずに、Get-VMNetworkAdapterExtendedAclコマンドレットを直接パイプ(|)でRemove-VMNetworkAdapterExtendedAclコマンドレットにつなぐことで、設定されている全ての拡張ACLを削除できます(画面3)。

コマンドレット実行例

Get-VMNetworkAdapterExtendedAcl -VMName Test-VM01 | Remove-VMNetworkAdapterExtendedAcl

ALT 画面3 設定されている全拡張ACLが削除された

複数の仮想ネットワークアダプターを持つ仮想マシンで拡張ACL設定を削除する

 複数の仮想ネットワークアダプターを持つ仮想マシンで拡張ACLを削除する際には特に注意が必要です。

 例えば、複数の仮想ネットワークアダプターで同じ重み、同じ方向で異なる拡張ACLが設定されていた場合、必須オプションだけを指定してRemove-VMNetworkAdapterExtendedAclコマンドレットを実行すると、全ての仮想ネットワークアダプターの拡張ACLが削除されてしまいます(画面4)。

ALT 画面4 複数の仮想ネットワークアダプターが接続されている仮想マシンで必須オプションだけで削除を実行すると、全ての仮想ネットワークアダプターに対して削除が実行されてしまう

 単一の仮想ネットワークアダプターの拡張ACLのみを削除したい場合は、「-VMNetworkAdapterName」オプションを併用して仮想ネットワークアダプターを明示的に指定し、Remove-VMNetworkAdapterExtendedAclコマンドレットを実行します。

コマンドレット実行例

Remove-VMNetworkAdapterExtendedAcl -VMName Test-VM02 -Direction Outbound -Weight 20 -VMNetworkAdapterName "BackendNIC"

ALT 画面5 「-VMNetworkAdapterName」オプションで指定された仮想ネットワークアダプターの拡張ACLのみを削除した

ホストOSが使用する仮想ネットワークアダプターの拡張ACLを削除する

 ホストOSが使用する仮想ネットワークアダプター、すなわちホストOSが仮想スイッチ経由で通信する際に使用される仮想ネットワークアダプターの拡張ACLを削除する場合は「-ManagementOS」オプションを使用します(画面6)。

コマンドレット実行例

Remove-VMNetworkAdapterExtendedAcl -ManagementOS -Direction Inbound -Weight 20

ALT 画面6 「-ManagementOS」オプションを使用することで、ホストOSが使用する仮想ネットワークアダプターの拡張ACLを削除できる

筆者紹介

後藤 諭史(ごとう さとし)

株式会社ネットワールド所属。Microsoft MVP for Cloud and Datacenter Management(2012-2026)。現業の傍ら、コミュニティーイベントでの登壇や著作にてMicrosoftテクノロジーに関する技術情報の発信、共有を続けている。ネットワークやハードウェアといった物理層に近いところが大好きな、昔ながらのインフラ屋さん。得意技はケーブル整線。近著は『詳解! Windows Server仮想ネットワーク』(日経BP社)。


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