Coworkを使いながら日々のこまごまとしたことを自動化することはカンタンです。でも、毎日のように同じことを自動化するのなら? たぶん、スキルの出番なのではないでしょうか。
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どうもHPかわさきです。
まずはおわびを。前回に「Claude in Chromeで為替レートを調べたけど、うまくいかなかったのでスキルと呼ばれる機能を使ったようです」みたいなことを書いていましたが、そんなことはありませんでした。為替レートはClaude in Chromeで取得できていて、スキルを使ったのはExcelファイルを作るためでした(Excelファイルを作成するスキルがCoworkには最初からあるのです)。
なんでそんなふうに思ったかというと、原稿を書き進める中で「為替レートを検索して、Excelファイルを作る」スキルを自作してCoworkに登録していたからです。そして、Coworkがそれを勝手に使ったんじゃないか疑ってみたのですが、そんなことはありませんでした(Coworkよ、正直、すまんかった)。
というわけで、今回は今も述べた「為替レートを調べて、ドル建ての請求情報を円建ての請求上に変換して、それをExcelファイルにまとめる」スキルをCoworkで作ってみることにします。
今回はCoworkでスキルを作ってみるのですが、その前に前回と同じく、ドル建ての請求書情報を円建てに換算して、それをExcelファイルにまとめることにします。違いは、前回はClaude in Chromeで請求書情報を取得させていたところを、請求書情報を画像ファイルとしてCoworkに与えるところです。
ここではcreate_skillというフォルダを指定して、そこに3つの画像ファイルを置きました。画像ファイルは、ClaudeとChatGPTとGitHubの支払い情報(あるいは請求書情報)を画面キャプチャーしたものです。例えば、以下のようなものです。
画像ファイルの名前は支払先が分かるように「openai-billings.png」「github-billings.png」「anthropic-billings.png」という名前を付けてあります。
この3つの会社についていえば、請求書や領収書をダウンロードできるようになっているので、Claude in Chromeを使ってそれらを経費フォルダにダウンロードして「日付_会社名_金額.pdf」のようなファイル名に変更することも可能かもしれません。ファイル名の「金額」部分をドル建てから円建てにしたいのであれば、どこかのタイミングでそうした処理を差し挟む必要もあるでしょう。
ここでは、これら3つのフェアを基に1行に「請求日」「会社名」「ドル建ての金額」「為替レート」「円に換算した額」の5列を含むExcelファイルを作ってもらうことにします。
入力したプロンプトは以下の通りです。
3つの画像ファイルがあるので、これらから請求日、請求金額を抽出して、以下の行を含むExcelファイルを作成してください
日付 会社名 請求金額(ドル建て) 為替レート 円換算額
2025年1月10日 OpenAI 22.0 156.46 3442
2025年1月20日 GitHub 4.4 156.08 687
# 以下、日付と会社名、金額などが続く
会社名はファイル名「xxxx-billings.png」の「xxxx」が該当します。
また、為替レートの取得には七十七銀行の為替レート一覧表
https://www.77bank.co.jp/kawase/usd2025.html
を使ってください。このとき、各行は日付でソートしてください
七十七銀行の米ドル対円相場(仲値)一覧表は1年分のレートが1ページにギュッとまとまっているので人から見てもCoworkから見ても便利に使えるはず。
以下はこのタスクが無事に完了したところです。
うん。ここまでは前回とほぼ同じ話です。問題は来年の確定申告の時期にもまた同じことをやる必要があるということです。もちろん、Coworkに同じことを頼めばいろいろと試行錯誤しながらやってくれるかもしれません。でも、手元ではうまくいく手順が分かっているのです。このことをうまく活用できないでしょうか。
要するに、ここでしたいのは「画像を与えると、為替レートを調べて、Excelファイルにまとめる」という作業を再利用可能にすることです。そうすれば、来年は再利用可能になったそれを使えば、同じことがより簡単に、より確実にできるのではないでしょうか。そして、そこで出てくるのが「スキル」です。
前回にスキルとはAIエージェントが「特定のタスクを実行するために必要な手順やルールをまとめたもの」と書きました。もう少し詳しく書くと「どんな入力を受け取り、どんな処理をして、どんな出力を生成するか」に関する手順や、それに必要な情報を取りまとめたものです。
手作業であれば、SKILL.mdファイルを記述したり、処理で必要なPythonコードを記述したり、必要なものを1つのファイルにまとめたりといったことが必要です。でも、Coworkがあれば、「今やったことをスキルにして」というだけでスキルを作成してくれるのです。というわけで、やってみましょう。
ここでは、以下のようなプロンプトを入力しました。
今やったこと(画像ファイルを受け取って、為替レートを見て、ドル建ての請求金額を円建てに換算して、それらをExcelファイルにまとめる作業)をスキルにしてください。ただし、来年にこのスキルを使うとしたら、為替レートのURLは違うものになるでしょう。これについては今年のURLから推測できるはずです
以下はスキル作成中のCoworkです。
実はスキル作成のタイミングでCoworkが止まってしまったので、Claude Desktopアプリを再起動しています。リサーチプレビューなのでしょうがないとはいえ、ちょっとビビりました。だって、ここまで書いた原稿に合わせて、もう一度タスクを作り直して、画面をキャプチャーし直して……ってことになったら面倒じゃないですか(笑)。同じ結果がCoworkから返ってくるわけでもないし。
スキル作成のプロンプトには「七十七銀行の為替レート一覧のURLについて対応が必要かもよ」という指示を入れましたが、スキルを完成させる際には、それについてもちゃんと考慮してくれているようです。
完成したスキルは最初に指定した作業フォルダに置かれます。
この場合、billing-converterフォルダにはスキルについて記述した各種ファイルが収められています。billing-converter.skillファイルはそれらをZIPファイルに固めて、拡張子を「skill」に変更したものです。
スキルを作成できたら、次にやることは、それが実際に使えるかどうかの確認です。
とはいえ、上で作成したスキルをCoworkで使う前に、それをCowork(というか、Claude)に登録する必要があります。Claude Desktopアプリの左下に自分のアカウントが表示されているので、これをクリックして[設定]を選び、[設定]画面が表示されたら、[機能]タブを選択します。[機能]タブの一番下には[スキル]欄があります。
この画面で[+追加]ボタンをクリックすると、スキルの追加方法を選択するダイアログが表示されます。
ここで[スキルをアップロード]を選択すると、ダイアログが次のように変化します。
ここで先ほどのbilling-converter.skillファイルをドロップすれば追加が完了します。[設定]画面に追加されたスキルをクリックすれば、その詳細が表示されます。こんな感じです。
最後に、作成したスキルをタスクで使ってみます。ただし、スキルを作成したタスクからは、そのスキルを追加しても参照できないようです。そこで新しくタスクを作り、以下の画像を作業フォルダに置くことにしました。
プロンプトは短く「置いてある画像からドル建ての請求額を円建ての請求額に換算したExcelファイルを作って」としました。以下が実行画面です。
画像の中央に「billing-converter」とあるのが分かるでしょうか。これは先ほど作成したスキルで、その後の英文でも「ドル建ての請求書画像を七十七銀行の為替レートを使って円建てにしたExcelファイルに変換」と書いてあります。
では、結果はどうだったかというと、目視で確認した限りは2025年の為替レートも2026年の為替レートも取得して、Excelファイルが作成されていました。これなら来年以降もこのスキルを使えるかもしれません。
重要なのは、Coworkと対話をしながら試行錯誤を重ねて、何らかのタスクを完了させることが「1回限りの使い捨て」にならずに、またどこかで使える可能性があるということです。
Coworkはチャットベースでローカルなファイルシステムも含めたタスクを自動化してくれます。でも、そのタスクを毎日のようにやらなきゃならないのなら……。似たようなタスクをCoworkに何度もやらせていることに気が付いたら、共通部分をスキルとして抜き出すことで、Coworkをさらに便利に使えるようになるかもしれません。
普段の仕事でよく出てくる処理をスキルとして再利用可能にすることで、多くのユーザーがコーディングレスで自分だけのワークフローをどんどんと自動化していく。そんな日が遠からずやってくるのかもしれません。
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