Claude Coworkを使ってみたら、AIが「同僚」になる感覚が分かった(かも?)Deep Insider AI Practice

ClaudeのPro版のサブスクリプション契約者にもリサーチプレビューの範囲が広まった「Claude Cowork」。さっそく、使ってみました。どんなものだったのでしょう?

» 2026年01月23日 05時00分 公開
[かわさきしんじDeep Insider編集部]
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連載目次

 ちまたで話題の「Claude Cowork」が2026年1月17日からProサブスクリプションのユーザーでも試用できるようになりました。そこで実際にCoworkを使ってみて、何ができるのかを試してみました(以下では単に「Cowork」とします)。

ウィンドウの左上に[Cowork]タブが表示されたね ウィンドウの左上に[Cowork]タブが表示されたね


かわさき

 どうもHPかわさきです。

 週明けからCoworkをちょいちょい使ってみているのですが、ワークスペースの起動に失敗して、もうどうにもならなくなってしまう事態がボロボロと発生していたので、この後の画面キャプチャーではCoworkで作成したタスクの一覧がおかしくなるかもしれません。そのことはご承知置きください。

ワークスペースの作成に失敗したところ ワークスペースの作成に失敗したところ

 こうなっちゃうと、Coworkの[ヘルプ]メニューから[トラブルシューティング]−[アプリデータをリセット]を選択しないと、ワークスペースが起動できなくなっちゃいまして(筆者の環境では)、そうするとそれまでに作成していたタスクが消えてなくなってしまうのです。ま、リサーチプレビューなのでしょうがないですよねぇ。取りあえず、以下では記憶を頼りにタスクを再現してみようと思っていますが、果たして……。


Coworkとは

 以前の記事でも紹介していますが、Coworkは「開発者以外を対象としてさまざまな作業をエージェントが自律的に行えるようにする仕組み」です。「開発者以外の人のためのClaude Code」なんて言葉もよく聞かれます。

 その特徴としては次のようなことが挙げられます。

  • チャットのように1個のプロンプトに1個の答えを返すのではない
  • 複雑なタスクを指示すると、それをステップに分けて、順次(あるいは並列的に)処理してくれる
  • ローカルな環境のファイルシステムの操作が可能
  • コネクタ経由でMCPサーバを使ったり、スキルを使ったりすることで広範なタスクを処理可能

 以下では実際にCoworkを使って2つのタスクを実行してもらいました。

Coworkの画面構成

 画面左に表示されているサイドバーの上部には[チャット]と[コード]の2つのタブに挟まれて、[Cowork]タブが表示されています。その下の[新しいタスク]をクリックすると、タスクが新規作成されます。作成したタスクはその下にズラリと表示されます(今は4つ表示されています)。中央の部分でClaudeと対話をしたり、指示を出したりしながら何らかのタスクを完了させます。右側には[進行状況]がtodoリストのような形で表示されます。[作業フォルダー]にはタスクを実行する中でCoworkが作成した成果物が、[コンテキスト]には現在の処理で使われているさまざまな要素が表示されます。

Coworkの画面 Coworkの画面

 このとき、[Create a file]などのボタンが表示されるので、それらをクリックするとプロンプト入力ボックスにそれに合ったプロンプトが自動的に入力されて、さらにCoworkからの問い合わせが続きます。

[Draft a message]をクリックするとどんなメッセージを作成するかが問い合わされる [Draft a message]をクリックするとどんなメッセージを作成するかが問い合わされる

 クリックしたボタンとその後の問い合わせに応じて、特定のフォルダへのアクセス権を求めるダイアログが表示されることもあります。このように対話を進めていくことで、どんなタスクをしたいのか、ある程度の方向性を決めるのがこれらのボタン(とその後の対話)の役割のようですね(現段階では英語のプロンプトが入力されるので、筆者にはあまり意味はないのですが)。

 このプロンプト入力ボックスの左下にあるフォルダアイコンをクリックすると、フォルダの選択ダイアログが表示されるので、そこでCoworkにアクセス権を与えるフォルダを指定できます。このプロンプト入力ボックスではタスクで使うモデルも選択可能です(上の画面では[Sonnet 4.5]が選択されています)。

初めてのタスク:ファイルシステムの操作

 それでは最初のタスクを作ってみましょう。ここではCowork_testというフォルダを新規に作成して、そこにphotosフォルダを作って、筆者がこれまでに撮影してきた写真を200枚ほど置いてあります。

photosフォルダにはネコや食べ物、風景などの写真が200枚ほど入っている photosフォルダにはネコや食べ物、風景などの写真が200枚ほど入っている

 ここではこのフォルダ内の写真をその内容(動物、食べ物、風景など)の種類に応じて別々のフォルダにまとめ直してもらうことにしましょう。もちろん、photosフォルダへのアクセス権をCoworkには与えることにしました。フォルダアイコンをクリックしてphotosフォルダを選択すると、そのアクセス権を求める以下のようなダイアログが表示されます。このように、対話を進めていく中では、何かと許可を求めるダイアログが何らかの形で表示されるようになっています(途中から面倒になることもありますが、今回はなるべく「この後はデフォルトでOK」みたいなことはしないようにするつもりです)。

photosフォルダへのアクセス権を求めるダイアログ photosフォルダへのアクセス権を求めるダイアログ

 以下の画像は、Coworkにphotosフォルダへのアクセス権を与えて、プロンプトを入力したところです(サイドバーも閉じています)。ファイルアイコンの隣に[photos]と表示されていることにも注意してください。

写真を分類するためのプロンプトを入力したところ 写真を分類するためのプロンプトを入力したところ

 後は[始めましょう]ボタンをクリックするか、[Enter]キーを押すだけです。ただし、この後すぐに自律的にタスクを進めてくれるというわけでもありません。以下の画像に示すように、タスクを進めるための補助的な情報を得るための対話が続くこともあります。

タスクを進める前にCoworkとの対話が続く タスクを進める前にCoworkとの対話が続く

 ここでは分類するフォルダ名も考えてくれたので、「お願いします」と答えることでタスクが進み始めました。以下はタスクを実行中のCoworkの画面です。1人で勝手に試したり、失敗したり、やり直したりしているのが分かります。右上の[進行状況]にはタスクを分割したステップがtodoリストの形で表示され、完了したものについてはチェックボックスが表示されて、テキストに打ち消し線が引かれているのも分かります。

自律的に写真の分類を試行しているCowork 自律的に写真の分類を試行しているCowork


かわさき

 というところで、Claudeから「You've hit your limit - resets 9pm (UTC)」といわれちゃいました(笑)。状況を確認したら、あと1時間しないと作業を再開できないようです。これどーすんだ。

 実はClaudeはx.com(旧Twitter)で「Since Cowork handles more complex work, Pro users may hit their usage limit sooner」と述べています(Coworkはより複雑な作業を取り扱うので、Proのユーザーは上限にすぐにぶち当たるかもね)。実際、筆者も何度も上限にぶち当たっています。Coworkはタスクを完了させるための計画を立てたり、複数のサブエージェントに分割したり、進捗を確認したりするために多くのトークンを消費します。そのため、通常のチャットと比べてより速く上限に当たってしまうのでしょう。

 Coworkを多くの人が使ってくれるかどうかは、その使い勝手がどうのこうのよりも、こうした部分が大きなポイントになるかもしれませんねぇ。


 リミットが解除されてから約30分で、分類が完了しました。

誇らしげなCoworkさん 誇らしげなCoworkさん

 実際に分類できているかどうかといえば、筆者が目視で確認したところでは間違いも幾つか見つかりました。本来なら、間違いについてはやり直しを指示してもよいでしょう。が、今回はそこまではしないことにします。というのは、他にもやりたいことがあるからです。

 ここまで最初のタスクを実行してみましたが、分かったのは次のようなこと。

  • Coworkは、1つの大目標(photosフォルダにある写真を分類して整理)を実現するための計画を立て、それを複数のステップに分割して実行する
  • 個々のステップでは、写真の分類をさらに分割して並列に進めている
  • 計画がうまくいかなくても、やり方を変更するなどして、粘り強くタスクを完了させている
  • 内部ではPythonコードが生成されている
  • 人との合意形成を大事にしている
  • リミットに当たるのが意外と速い

 状況把握(photosフォルダの内容確認)から計画を立てて、実行してよいかどうかを問い合わせて、実際に実行するというのはまさにエージェント的な振る舞いです。そして、考えたやり方ではダメなら別のやり方を考えたり、時間がかかりそうだと判断すれば、こちらに幾つかの選択肢を提示して、どの方法を採用するかの判断を人の側に手渡したりと、見守る必要はあるけれどがんばっている「同僚」のような働きをしてくれました。

 こうした処理を、コードを背後に隠したまま、うまく実行するのはまさに「開発者以外の人のためのClaude Code」といえるでしょう。何より、ファイルシステムを実際に操作するのはWebベースのチャットボットには無理な話です。現状では、この1点だけでも大きな価値があるかもしれません。

ドル建ての請求を円建てにしてみる:Claude in Chromeとそのリスク

 そろそろ確定申告の季節じゃないですか。そういうわけで、次にClaudeの請求書(ドル建て)を基に、それが日本円でおいくらなのかを計算してみてもらうことにします。ファイルシステムを走査するわけじゃないので、同じことをWebベースでもできるかもしれません。でも、Coworkがどんなふうにこのタスクを処理するのか見てみましょう。


かわさき

 実際にやってみる前に一つだけ。ここではClaude in ChromeというChrome拡張と、Cowork(Claude Desktop)からこれに接続するコネクタと呼ばれる機能を使います。Claude in ChromeはChromeを直接操作可能な拡張機能であり、MCPサーバとしても機能します。これを使うことで、Cowork(Claude)はChromeを操作して、Webから情報を取得できるわけです。

 でも、例えば、今のように請求書情報を得るには、筆者が個人のアカウントでClaude.aiにログインしている必要があります。Claude.aiに限らず、そうした情報を得るにはCoworkのユーザーは対象のWebサイトにログインしていなければなりません。

 Coworkが提供するWeb searchという機能(コネクタ)では、これは無理で、そういう場合にはClaude in Chromeを使う必要があります。こちらならログイン情報付きでChromeを使えます。

 気になるのは、ログインしていればクレジットカード情報のような機密情報にもアクセスできるかもしれないことです。何かのサイトにログインしている状態にプロンプトインジェクションやRepromptが組み合わされば……。と不安になりますよね。

 実際、Anthropicはこれに関して以下の2つのWebページで警告をしています。

 これらのページにあることをまとめると次のようになります。

  • 機密情報を含んだローカルファイルがあるフォルダへのアクセス権をCoworkには渡さない
  • Claude in Chromeを使う場合には信頼できるサイトでのみ使用する
  • Claudeのインターネットアクセスを変更するときには信頼できるサイトのみ許可する
  • プロンプトインジェクションのように見える疑わしきアクションには目を配る
  • MCPサーバを使うときには、信頼できるものだけにする
  • 重要な操作は必ず承認が必要とする

 便利さの裏には危うさがあることはよく考えておきましょう。Coworkに不安なことを伝えると、機密情報は読み取れないルールになっていると教えてはくれますが、可能な限り安全な使い方をするようにしてください。


 ここではClaude in Chromeを使ってClaude.aiにアクセスし、そこから請求書情報を得られるかを聞いてみました(上の注意書きはよく読んでください)。ここでは個人向けのサブスクリプションを、Webブラウザで閲覧するように指示しています。

請求履歴をWebブラウザから取得するように指示したところ 請求履歴をWebブラウザから取得するように指示したところ

 すると、Claude in ChromeによりClaude.aiのサイトへと遷移が行われ、請求書情報が取得されます。このときには以下のような処理を進めることを求めるダイアログも表示されます。

ページ遷移の許可を求めるダイアログ ページ遷移の許可を求めるダイアログ

 同様なダイアログが幾つか表示された後、Chromeでは請求書情報が記載されたページが表示されます。

請求書情報が表示された 請求書情報が表示された

 この情報はCoworkも取得しているので、次にドル建ての請求が円建てではどのくらいの金額になるかを計算してもらいましょう(本来は領収書もダウンロードしておくべきでしょうが、ここでは省略)。

 そこで「この20ドルを、当日の為替レートで円に換算して、それをExcelのファイルにまとめてもらえますか?」と指示を出してみましょう。

請求書の日付でドル建ての請求を円建てに換算してもらう 請求書の日付でドル建ての請求を円建てに換算してもらう

 ここでは為替レートの検索にWeb searchと呼ばれる機能を使ったけれど、うまくいかなかったのでClaude in Chromeを使ってWebページを操作しながら、為替レートを調べたようです。でも、それもうまくいかなかったので「スキル」と呼ばれる機能を使ったようです(スキルとは特定のタスクを処理するための手順やルールをまとめたもの)。で、最後はExcelファイルも無事に作成できました。スキルについてはまたの機会に紹介することにしましょう。

スキルを活用して何とかなった(らしい) スキルを活用して何とかなった(らしい)

 [作業フォルダー]には完成したExcelファイルが表示されているので、これを開いてみると次のようになっています。

出来上がったExcelファイル 出来上がったExcelファイル

 本当のところは為替レートとして使う値は適切かどうかの確認や、領収書のダウンロードをするなどの必要もあるでしょうが、ちょっと試しに使ってみただけとはいえ、意外にカンタンにやれちゃいました。

 ここでのポイントは以下です。

  • Claude in Chromeは便利だけどちょっとリスクがあることは覚えておくこと

 ログイン情報が必要だったり、ブラウザを操作したりする必要があれば、Claude in Chromeを使う必要がありますが、そうでなければよりシンプルにWeb searchなどが使われます。まあ、この辺の使い分けはきっとCoworkが決めてくれるでしょう。今回の「同僚」は、自分で試行錯誤しながら最後は「エイヤッ」と仕事を片付けてくれたともいえますね。

 というわけで、今回は2つのタスクをやってもらいました。筆者の感想としては次のようになりますかね。

  • ローカルのファイルシステムを操作できるとやれることに幅が出てくるかも
  • うまくいかなくても、次の手を考えてくれるので心強い
  • ポイントポイントで承認を求めてくるのはよい
  • 便利かもしれないけれど、うまく使う必要がある
  • エージェントだからしょうがないとはいえ、トークンの消費が激しい

 2026年1月21日時点ではmacOSのみでしか使えないのが残念ですが、興味のある方はぜひ触ってみてください。ただし、まだリサーチプレビューの段階ですし、ドキュメントも充実していません。手探りでいろいろ試すのもまた楽しいかもしれませんよ。

 筆者も何かよいアイデアを思い付いたら、試してみることにします。

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