Omdiaは、2025年第4四半期および通年の世界PC出荷実績を公表した。通年出荷は前年比9.1%増と堅調だった一方、メモリとストレージ価格の上昇が続いており、2026年の供給制約と成長見通しに影響を与える可能性がある。
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調査会社Omdiaは2026年1月12日(米国時間)、デスクトップPC、ノートPC、ワークステーションを対象とした「2025年第4四半期および通年の世界PC出荷台数」の調査結果を発表した。
2025年第4四半期(10〜12月)のPC出荷台数は7400万台となり、前年同期を9.1%上回った。2025年通年の出荷台数は2億7870万台に達し、前年比で9.1%の増加となった。
デバイス別では、モバイルワークステーションを含むノートPCの出荷台数が第4四半期に5780万台、通年では2億1970万台となり、年間で7.5%の成長を記録した。デスクトップワークステーションを含むデスクトップPCの第4四半期の出荷台数は1630万台で、2025年通年では前年比14.5%増の5910万台となった。
一方、2025年のPC市場は全体として健全に推移したものの、年半ばからメモリとストレージの供給が逼迫(ひっぱく)。それに伴う価格上昇圧力が顕在化している。
特にPC用DRAM(Dynamic Random Access Memory)は約70%という大幅な値上がりを記録している。2025年12月にはPCベンダー各社が価格引き上げの兆候を示し始めており、十分な供給を確保できない状況と相まって、2026年の出荷予測には既にマイナスの影響が出ている。
Omdiaのプリンシパルアナリストであるベン・イェー氏は、「2025年第1四半期から第4四半期にかけて、主要なPC用メモリとストレージのコストは40%から70%上昇し、そのコスト増は顧客に転嫁されている」と指摘する。「2026年の供給不足を考慮し、業界は利益率を確保するためにハイエンドのSKU(最小在庫管理単位)を重視し、中低位モデルの構成を簡素化することに注力している」という。
加えてイェー氏は、「2026年はデバイスの買い替え需要が完全には衰えていない中で供給側の圧力がより強まり、需要を完全には満たせないだろう」と分析する。実際の出荷実績は、ベンダー各社のメモリやストレージの調達力、交渉力に懸かっており、規模だけでなくサプライヤーとの信頼関係や実績が、この複雑な時期を乗り切るための決定的な要因になるとしている。
2025年11月にOmdiaが企業間取引(BtoB)チャネルパートナーを対象に実施した、2025年と比較した2026年のPCビジネスの見通しに関する調査では、57%が「成長する」と回答した。供給管理を適切に行えるベンダーにとっては、健全な需要環境が強い追い風になることが示唆されている。
ベンダー別のシェアでは、Lenovoが第4四半期および通年の両方で首位を維持した。同社は2025年第4四半期に前年同期比14.4%増という2桁成長を記録し、通年の出荷台数は前年比14.6%増の7100万台で1年を締めくくった。
2位にはHPがランクインし、2025年第4四半期に1540万台を出荷した。同四半期において、前四半期比および前年同期比の両方で成長を記録している。
3位のDell Technologiesは、2025年で最も好調な四半期実績を上げ、第4四半期に前年同期比18%増という力強い伸びを見せた。通年の出荷台数は4100万台で、2024年比で5%増加した。同社は第4四半期に市場シェアを前年同期から1ポイント拡大させている。
4位のAppleは、通年で最も急速に成長したベンダーとして際立っている。同社は通年で16.4%の成長を記録し、年間の出荷台数は2800万台に達した。
5位にはASUSTeK Computer(ASUS)が続き、第4四半期に530万台、通年で2000万台を出荷した。年末のホリデーシーズンにおける7%の成長が、同四半期および通年のランクインを支えた格好だ。
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